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雑記37 朝長さんにドイツ人学友が無限に物理学の話を熱心にし続ける、シュバインシュタイガー、ペップ

文字数 1700〜1900

■物理学者の朝永振一郎さんに対してドイツ人の学友が無限に物理学の話をし続ける


物理学者の朝長振一郎さん(ともなが しんいちろうさん)の文章を読むのが筆者には楽しく感じられ、ある時、「朝長振一郎著作集」の1冊を図書館で借りて読んだ。

その巻には、朝長さんの1930年代前半頃の日記が収録されていた。

朝長さんはドイツに留学して、生活していたときの、生活の様子やその時々に考えたこと、感じたことを日記に書き留めていたようであった。

筆者の印象に残っている描写がある。

あるときに朝長さんは、ドイツ人の学友と遭遇して立ち話で雑談を始めた。

そのドイツ人の学友は物理学のある問題に関心を強く持っているらしく、朝長さんに対してしきりに物理学について話し続けた。

2人で立ち話をしているうちに、だんだんスキーに行って一緒に滑ろうと言う話になった。

そのドイツ人の学友は、遭遇した場所からスキー場に行く間も物理学の事ずっと話し続け、スキーを滑っている間も、暇があれば朝長さんに近づき、物理学について自分の見解を際限なく話し続けるのであった。

2人で物理学の話をしながら(ドイツ人学生側が盛んに物理学の話をし続けながら)、スキーを切り上げて、帰りの電車に乗った時も、電車の中でそのドイツ人の学友は物理学のことをまだまだ話し足りないと言う様子で朝長さんに対して熱心に話し続けるのであった。

朝長さんは、そのドイツ人の学友と別れて自分の住んでいるアパートに戻っていくのだが、その時に、自分だったら毎日毎日物理学のことを考え研究している中で、もう少し気分転換に物理学以外のことを考えたり話たりしたいと思うようなものだが、ドイツ人の学友は日頃物理学を研究しそれに没頭し、その合間の気分転換の時間にもずっと物理学の話ばかりしている。

そういう傾向のあるドイツ人は、朝長さんの観察ではその人だけではないらしく、全員が全員ではないだろうが、日本人の物理学者とドイツ人の物理学者の性質や心の構造の違い、というものについて何か考えさせられるものがあると感じたらしい。

上記の話から筆者の心に浮かぶイメージを言葉にすると、一つのテーマに無際限にしがみ続けることができる精神性、というようなものである。

■ペップ・グアルディオラと、シュバインシュタイガーのケース、遭遇すると何時間も熱心にサッカー談義をする2人



サッカーの監督、グアルディオラ(愛称はペップ)のことを取材した、「ペップ(君に全てを話そう)」と言う本において、取材対象のペップ・グアルディオラがドイツのバイエルンの監督になっていた時期の出来事が色々とこの本では取材されている。

筆者の印象に残っている、あるエピソードがある。

グアルディオラは、バイエルン・ミュンヘンの監督になっており、そこの選手であるシュバインシュタイガーを実に信頼していたようである。

シュバインシュタイガーは大のサッカーマニアである、とのことだった。

練習が終わり、選手が服を着替えたりリラックスして過ごしているときに、くつろいで過ごしていたシュバインシュタイガーとグアルディオラが遭遇すると、その時からその2人によるサッカー談義が熱心に始まるらしい。

2人はサッカーについて、意見を熱心に話し合い、相手が現在のサッカー界についてどういう意見を持っているか、と言うことを熱心に聞き出す。

相手が意見を話すと、もう片方はそれに熱心に反応し続ける。

彼らは最初くつろいで立ち話をしながらサッカーの話をずっとしているのだが、例えば、一緒にシャワールームまで行って、シャワーを浴びる。
その間もサッカーの話をずっとしている。

シャワーを浴び終わると次は散歩、と言うような具合で2人で延々と並んで歩き、サッカーについて何時間も熱心に話し合っていたと言う。

グアルディオラはスペイン人で、シュバインシュタイガーはドイツ人である。

このグアルディオラと シュバインシュタイガーの話を読んで、筆者は上記の朝永振一郎さんのドイツ人の学友のことを連想する。

■総括



朝長信一郎さんと、ドイツ人の学友の物理学の話、
スペイン人のグアルディオラと、ドイツ人のシュバインシュタイガーの、延々と続くサッカー談義の話、

頭の中でこの2つが時折セットになって頭に思い浮かんでくるので、文字にして形にしておきたいと思ってこうして書いてみた。

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OndokuAikouka(音読研究×小林秀雄散策)
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