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【エヴァ考察】 新劇エヴァの素体について

エヴァの考察第9弾です.今回はタイトル通りです.
シンエヴァのネタバレにご注意ください.


1.アダムス由来の機体

旧作では人造人間エヴァンゲリオンは基本的にアダムを模して造られており、初号機のみリリスのコピーであることは周知と思います.

赤木ナオコ「アダムより人の造りしもの、エヴァです」(21話C-0142)

キール「唯一リリスの分身たる、エヴァ初号機による、遂行を願うぞ」(25’話C-0656)

新劇場版ではこうしたエヴァの素体に係る直接の描写や台詞はありません.唯一の例外は第13号機です.

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(Q•C-1301, 1302)
マリ「——覚醒したみたいね.アダムスの生き残りが!」

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同機体がアダムスそのものなのか、アダムスのコピーなのかはさておき、少なくともアダムスに由来する機体です(13号機の素体については最新記事で解決→「13号機とシンクロ」).

またアダムスの外見的特徴は設定資料で確認できます.破のセカンドインパクト回想シーンの脚本です.

背中と頭上に光の輪を持つ4体の光の巨人」
「お互いの背中から光の尾が伸びている」

破全集248頁(太字強調引用者)

一応アダムスの特徴として、脚本段階では背中と頭上に光の輪を持ち、光の尾を持つことがわかります.まずはこうした外見的特徴からアダムス由来か否か考えてみたいと思います.

もっともこの手法の問題点の1つは、上記初期設定が本編にどれだけ引き継がれているか不明であることです.たとえば、本編では下の画像のように翼2枚が追加されたりします.

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背中の尾は背中に隠れて見えないと解せますが、背中の光輪はどうなったのか.シンエヴァの旧南極爆心地跡にある、十字架の虹の輪がそれを彷彿とさせますが同一視してよいかよくわかりません.

といろいろ留保すべきことがあるわけですが、ここではアダムスについてとりあえず外見の特徴からみて何か得るものはないか程度と思って読み進めてもらえれば幸いです.

さて劇中で上記特徴が見られる機体はあったでしょうか.さしあたって13号機には背中に光の輪がありました.背中の光輪が確認できるのは13号機と改8号機のみです(あとアダムスの器もか?).

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ここからすると13号機と8号機がアダムス由来を匂わせます.

ちなみに最後の画像の8号機は宙に浮いてます(下記コンテ).また、劇中でアダムスにはウルトラマンの要素が目立ちます(例えばウルトラサイン.下記記事『アダム家とリリス家』).するとオーバーラッピング等、ウルトラマンタロウ要素が見られる8号機はアダムス由来なのかもしれません.

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破コンテ次回予告C-12.マーカー引用者


次に、新2号機の光の巨人(獣?)化のシーンです.

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わかりにくいかもしれませんが、頭部あたりからギザギザのついた長いものが伸びているのがわかります.光の尾なのかもしれません.光の輪は画像2枚目の頭上に確認できます.2号機の素体もアダムス由来を匂わせます.

さて次に破で零号機が第10使徒に捕食されるシーンがありましたが、それを彷彿とさせる場面がシンエヴァの後半にありました.マリの8号機がアダムスの器3体と戦闘するシーンです.

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このシーンで指摘したことは2つあります.1つは、8号機のATフィールド攻撃がちょうど第10使徒のように巨大化し、さらに獣の形になりました(内心、アヤナミまた食われた).2号機の光の尾、巨獣化、8号機のATフィールドの獣化攻撃.アダムスと獣は何か関係がありそうということです(今後の課題になります).

もう1つは少し長くなります.まず零号機の素体から始めます.同機体については手がかりは少ないですが、次の台詞から考えます(※追記1).

(破C-1620〜)
リツコ「まさか、使徒がエヴァを捕食するなんて.ありえないわ」

リツコさんの台詞は上記使徒が零号機を取り込むシーンのものです.彼女はどうしてありえないと考えたのか.ちなみに庵野さんも破全集インタビューでご自身の設定では使徒がエヴァを捕食することはありえなかった旨述べています.

想像するにそれはこれが共食いに近い禁忌現象だからではないか.というのもTVシリーズで初号機が使徒を捕食したことを思い出したい.こっちは庵野さんの中ではあり得ないことではなかった.その理由はTVシリーズの初号機はリリス由来の機体ですから共食いにはならない、ということではないか.

そこで使徒がアダムスの子孫と考えられることを踏まえれば(「神のシンボル/白い鳩」)、零号機捕食は共食いになります.以上から零号機もアダムス由来の機体となりそうです.

以上、いくつかの機体のアダムス由来の可能性を考察してきました.もっとも私見は新劇にもアダムは存在したとする立場である以上(「アダム新劇場版:再訪」)、アダムの容姿が不明の現段階では早計といえそうです.



2.アダムスの器とその名の由来

次にエヴァMarkシリーズはどうでしょう.Mark.09〜12に限っていえば、それらがアダムスの器と呼ばれることからしてアダムス由来の機体といえそうです.

このことホア,アダムスの器というのが土の器、木の器と同じように、アダムスでできた器、機体と理解できることにもつながります.

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また、アダムスの器という名称で指摘しておきたいことがあります.新劇場版ではエントリープラグを「魂の器」、インテリア(プラグ内でパイロットが座る操縦席)を「魂の座」とも呼びます.エヴァの世界で器とは魂の入れ物です.人類補完計画も人間の器を捨てエヴァという新たな器に移行する話でもありました.

そして、マリにアダムスと呼ばれていたNHG戦艦がいわば巨大なエヴァであることが設定資料等から徐々に明らかになってきており、ヴンダーの戦闘艦橋が巨大なエントリープラグのようになって全体としてエントリーシステムになっています.

しかし,冬月の台詞からヴンダーが本来有人仕様ではないこと、さらに資料からヴンダーの戦闘艦橋はヴィレが後で取り付けたことも判明したことから、ヴンダー含めたNHGシリーズの本来の操縦システムは劇中とは異なるものだったといえます.

本来はどうだったかといえば,アダムスの器がエントリープラグ(魂の器)だったということです.NHGのコントロールはエヴァと全く同じシステムだった.リツコの台詞にも表れています.

(Q・C-1354)リツコ「アダムスの器は、ヴンダー本来の主」

ヴンダーの戦闘艦橋はいわば外付けのエントリーシステム(ヴィレ仕様)だった.

さらにはそのエントリープラグに収容する魂、すなわちアダムスの器のパイロットであるアドバンスド・アヤナミシリーズは魂の物質化であるコアから構成される生命体でした(下記記事の2).それはいわば全身が魂の塊なのでアダムスの器はNHGにとってのエントリープラグすなわち「魂の器」だったといえます.

以上から、アダムスの器という呼称には、①アダムスを素体とするという意味と、②NHGとの関係でエントリープラグだったという意味が込められている.このような理解に落ち着きそうです.

なお、Mkシリーズの多くで腹部装甲の数が3枚であることについては下記記事で考察しました.



3.初号機について

では初号機です.次のTweetが参考になります.

旧劇の巨人化リリスと旧劇の最終局面の初号機の光の翼は共に12枚です.そして新劇にオカル光の巨人化初号機も光の翼は12枚です.ここから新劇でも初号機はリリス由来の機体と考えられそうです.なお、セカンドインパクトのアダムスは確かに画像では翼の数が不明瞭ですが、上述1で述べたように翼と尾で3つとすれば数が合います.

以上、いくつかの機体の素体を考えてきました.その結果、旧作でアダム由来のものがアダムス由来になっていたと理解するとき、「真のエヴァンゲリオン」がよりはっきりしてきます.新劇で、“アダムより造りしものエヴァ“が当てはまるのはMark.06だけになるからです(下記リンク).


4.リミッター(※追記2)

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シンエヴァでリツコがミサトにサインをもらうシーンがありました.

リツコ「クレーディトの独立運営とエヴァ両機の全リミッター解除を承認するサインをこれに」

覚えのある単語です.

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(破C-1792〜)
伊吹「形状制御のリミッターが消えています!解析不能!」
リツコ「ヒトの域にとどめておいたエヴァが本来の姿を取り戻していく.ヒトのかけた呪縛を解いて、人を超えた神に近い存在へと変わっていく——」

「全」というからにはおそらくリミッターはいくつかあるのでしょう.破では形状制御に触れられてます.そして形状制御のリミッターの解除で取り戻す本来の姿が、各機体の由来とするものなのでしょう.

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さて新2号機といえば“全リミッター解除、裏コード999!“.これによってエヴァ本来の姿を取り戻し、初号機とは異なるも、光の尾を持つアダムスらしき姿になりました.もっとも、これによりアスカのDSSチョーカーが作動するわけですが、本人にとって織込み済みだったようです.

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アスカ「ここは無垢の卸したてでしょ.死に装束だもの」

エヴァの覚醒リスクへの対処としてのDSSチョーカー装着義務と、エヴァ覚醒を意味する全リミッター解除の承認.もしものときは命に換えてもというわけです.アスカは台詞のシーンの段階で自身の結末をどれほどの確度で予測してたのでしょうか.


今回は以上になります.最後までお読みいただきありがとうございます.

画像:©khara/Project Eva.

※追記(2021/8/12)
 零号機の素体とリミッターの箇所を加筆しました

※追記②(2021/10/28)
アダムスの器の記述を変更しました


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