幾島溫

いくしま・をん/嘘吐き/R18+/昭和2年のモダンボーイ/渡辺温/愛する君の爲に/ひと…

幾島溫

いくしま・をん/嘘吐き/R18+/昭和2年のモダンボーイ/渡辺温/愛する君の爲に/ひとり新靑年編集部ごっこ。 まとめ▶︎https://pont.co/u/onand23

マガジン

  • せんちめんたる・なんせんす

    思い出しても仕方がないのにね。僕の前の人生の話。

  • ステツキボオイ

    僕のお散歩記録。寫眞日記。1920年代関連、近代建築、面白いと思ったものなど。

  • 嘘吐きは夜の海を散歩する

    僕の心象風景。即ち詩です。

  • chic ON sick

    僕が病的に好きな渡辺温の関連記事。ヲタ活まとめ。

  • 昭和餘年の出來事

    昭和餘年という架空の年の出來事。嘘も本當も此處では何も差がありません。

最近の記事

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もくじ

●はじめに マガジンが多いので目次を作りました。本や雑誌の目次感覚でお使いください。このnoteアカウント自体、まるっと一冊の雑誌のような感じで扱いたいなあと思っています。 →詩です。 →過去にかいたR18小説を販賣しています。冒頭讀めます。 →靈感係のお話をするアカウント。 →雑文全般、創作。

    • 前の人生の戀人の話

      此の文章を僕は、戀人と出會ってそして別れた靑山通りで書いて居る。 ● 僕の前世は作家で編集者をして居た渡辺温だった。 そうだとしか思えないと云う、一見荒唐無稽で詳細な手記を書いて告白しましたが、 僕が前の人生の記憶をはっきりと思い出した、その切欠となった戀人の事もしっかり書いて置こうと思う。 戀人は女優の及川道子だと思う件僕が前の人生で心の底から深く愛して、今も思いを引き摺って居るその戀人は、女優の及川道子だろう。 僕の過去が渡辺温ならば、それ以外に無いだろう。 けれ

      • +19

        ステツキボオイ/二四年十月號

        • (成人向・詩)君が満たす、僕の渇望

          射精する瞬間、僕は愛されたいと願って居る 君に愛されたい、愛して欲しい、僕を受け止めて欲しいと願いながら 僕は絶頂に身を震わせる 君の潤んだ粘膜は僕の勁烈な衝動を 柔らかく受け止めて呉れ 僕が奥に触れた儘、達することも許して呉れる。 子供みたく      闇雲に        君        を         抱き締めて 求める僕の頭を 神々しく美しい君が撫でゝ呉れる 僕は芯から快楽に痺れ、腰を突き上げ續ける事しか出來ないのに 小鳥のような愛ら

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        • せんちめんたる・なんせんす
          22本
        • ステツキボオイ
          46本
        • 嘘吐きは夜の海を散歩する
          37本
        • chic ON sick
          28本
        • 昭和餘年の出來事
          34本
        • えろ本の自動販賣機
          1本

        記事

          渡邊溫選集「あゝ華族樣だよと私は嘘を吐くのであつた」を手に入れた。

          盛林堂ミステリアス文庫から出た、YOUCHANさんの挿繪と編集に拠る渡邊溫の作品集「あゝ華族樣だよと私は嘘を吐くのであつた」を手に入れた。 個展で購入したので、サインも入れて戴いたよ! いいでしょう? 一言で云えば、僕の樣な一日の半分位渡邊溫の事を考えて居るオタクから、初めて手に取られる方にまでおススメ出來る本だなあと思います。 140文字の連投でざっと感想を述べても良かったのだけど、素敵な本だったので此れは確りと感想や思いを語りたいなあと思い、斯うしてnoteに書くこと

          渡邊溫選集「あゝ華族樣だよと私は嘘を吐くのであつた」を手に入れた。

          戀人に對して「ずっと一緒に居よう」と云った事や「僕が守るよ」と云った約束を守れなかった罪惡感を百年程引きずって居たけど、昨日ふと「ずっと愛して居るよ」と云った約束だけは守れて居たんだと氣が附いた。 だからもう良いじゃない、と彼女が云った氣がした。

          戀人に對して「ずっと一緒に居よう」と云った事や「僕が守るよ」と云った約束を守れなかった罪惡感を百年程引きずって居たけど、昨日ふと「ずっと愛して居るよ」と云った約束だけは守れて居たんだと氣が附いた。 だからもう良いじゃない、と彼女が云った氣がした。

          戀人へ贈った結婚指輪の話。

          百年近く前の話。 彼女に贈った結婚指輪のことを思い出した。 そしてプロポーズをした日は別で婚約指輪を送っていた。 結婚指輪は多分二人で買いに行ったか、僕がサイズを聞いて買っていったか。 結婚指輪を買ったあと、二人で指に嵌めてみて、本当に結婚した後につけるのが楽しみだったことを思い出した。 銀色の指輪。プラチナなのかシルバーなのかは理解らないけど。 彼女と結婚することが出來なかった僕は、その指輪を着用して過ごすことはなかった。 僕からの結婚指輪を左の薬指にはめて喜んでいた

          戀人へ贈った結婚指輪の話。

          父を失う話の「髭」をなくす事、髭が大人の象徴と言うか、当時のモボの「髭」事情を念頭におくと、髭なしは自由と新しさの象徴、そして自身もモボだった温からすれば、自分らしく生きることの象徴なのかもしれない。

          父を失う話の「髭」をなくす事、髭が大人の象徴と言うか、当時のモボの「髭」事情を念頭におくと、髭なしは自由と新しさの象徴、そして自身もモボだった温からすれば、自分らしく生きることの象徴なのかもしれない。

          僕は渡辺温の生まれ變はりかも知れないと云う話。

          *此の文章が百年後に怪文書として殘って居る事を僕は希望します。 色々な事が在りすぎて、どの順番で話せば理解して貰い易いのか理解ら無いけれど、僕の思考や殆ど體驗の順番に書き記す事にした。 前半は薄味で後半に行く程濃厚にした。特濃の話題には「!」を附けている。興味が在るトピックから讀んでいただければ幸いです。 ◯。序文僕が前の人生の事を明確に思い出したのは、渡辺温の49日を2日後に控えた日の事だった。 ◯。前書き相當頭が可變しい話をするし「此奴はオタクをやりすぎて愈々本當に

          僕は渡辺温の生まれ變はりかも知れないと云う話。

          日立で渡辺温の聖地巡りをした話(2日目

          一日目は興奮してとても眠れなかった。 何が如何と云う譯では無いけれど、とにかく情報量が多いと感じた。 温が過ごした町、温の心象風景に多少なりとも影響を与えたであろう此の町を五感で感じる事は、僕にとって非常に刺激が強かった。 目で見る景色、百年前と變わらないであろう波の音、虫の聲。常磐線の音、町の匂い、空気、あらゆるものが毛穴に刺さり、僕の細胞をずっとざわつかせて居た。 この町の總てが僕を揺さぶって居る。 一日中歩いて居たのに3時頃まで全然眠れず、4時にも目を覺まし、6時には

          日立で渡辺温の聖地巡りをした話(2日目

          本日8月26日は渡辺温122回目のお誕生日。おめでと! 寫眞は温が生前に出した單行本。江戸川亂歩名義のポー翻譯は兄の啓助さんとの共同翻譯。渡辺温の事は語りきれない程澤山の思いがあります。此のnoteで少しずつ資料等を纒めて形にして行きたいと思って居ます。

          本日8月26日は渡辺温122回目のお誕生日。おめでと! 寫眞は温が生前に出した單行本。江戸川亂歩名義のポー翻譯は兄の啓助さんとの共同翻譯。渡辺温の事は語りきれない程澤山の思いがあります。此のnoteで少しずつ資料等を纒めて形にして行きたいと思って居ます。

          シンドバッド船長/解説未満感想文

          こちらにデータ入力をして書き起こした作品に就いての話です。 ↓↓ * 僕の激推しモダンボーイこと、長谷川修二氏の短い1作です。 そもそも長谷川修二は映画会社で翻訳や宣伝部長をして居た人なので、創作小説畑の人ではないのですが、新青年には小説形式でモダンボーイ指南の様な文章を幾つか書いて居ます。 渡辺温が新青年に入ってから寄稿が始まって居るので、温の依頼で新青年に書き始めた事が考えられます。この話は渡辺温が編集部から離れて居る時に掲載されたものですが、温が縁で新青年と繋がりが

          シンドバッド船長/解説未満感想文

          シンドバッド船長—道頓堀モダン気質— /長谷川修二

          シンドバッド船長—道頓堀モダン気質—長谷川修二・作 新青年昭和3年12月号掲載  大阪では矢張り道頓堀であるが、古来の伝統的な道頓堀情緒などは見度(みた)くも見られなくなっている。芝居小屋と芝居茶屋の雰囲気を、神(かん)ながらの道頓堀情緒と考えて、近頃の大阪などに来ようものなら、昔の幼馴染の家が貸家になってた程の失望を感じてしまう。今更にモダン繁昌詩を書くなら、どうしてもカフェを謳わなければならないのだ。大阪は橋の都であったが、今ではカフェの街である。カフェの数(すう)は全

          シンドバッド船長—道頓堀モダン気質— /長谷川修二

          前の人生の奥さんの話

          前の人生の奥さんの話。 前の人生で結婚していた人の話。 幾つか思ひ出した事が在るから書いて措かう。 * 布団で二人で寝ている時。お互い横を向いて顔を合はせて居る状態。 至近距離の妻の顔。最初彼女かと思つたけど違つた。顔の印象が少し似ているのかも知れない。髪型は所謂断髪、ショートボブ系。 「あたし、可愛くない」 泣き出しそうな表情でさう云つた彼女は、手で顔を覆つて俯いて仕舞つた。 「そんな事ないよ、かはいゝよ」 と僕は抱き締めて、頭を撫でて宥める。 僕は申し訳なく気まずい思

          前の人生の奥さんの話

          童貞卒業した日の話。

          大正13年の4月という感じ。 思い出す時、はっきりと年と月が出てくる感覚がある。 大正13年の4月と言えば関東大震災の5ヶ月前か。 多分その頃。 鶯谷って感じがするんだけど、そういうお店があったのだろうか。 少なくとも上野〜日暮里、あの辺りな感じがする。 僕は例のおしゃれな友達に連れられて、プロのお姉さんのいるお店に足を踏み入れた。 初めての場所で戸惑う僕をよそに、友達は慣れた様子で廊下をすいすい歩いて「ほら、してしまえば大したことじゃないんだから」みたいなことを僕に言っ

          童貞卒業した日の話。

          【變格私小説】未來の自分に會ったら死んでた話

          ◯  愛用の化粧水が此處にしか賣って無いから、僕は三ヶ月振りに橫濱みなとみらいのワールドポーターズに來て居る。  エスカレーターを上って二階に着くと「未來の自分に會える」と云う體驗型のゲームイベントが開催されて居た。此處も良く入れ替わるよなーと思いながら僕はお目當ての化粧水を買う爲に昇りのエスカレーターに足を踏み出すのだが、その瞬間出て來た男女が「凄いね」「ちょっとヤバいな」と沈鬱な表情をして居たのが目に入って仕舞い、子供騙しのお遊びだとばかり思って居た僕の興味を引いた。

          【變格私小説】未來の自分に會ったら死んでた話