読書:変化に強く、イノベーションを生み出す ネットワーク型組織のつくり方

図書館で目に入り読んでみると、とても気付きの多い書籍でした。

◆変化に強く、イノベーションを生み出す ネットワーク型組織のつくり方
著)北郷 聡, 橋本 洋人

↓図書館蔵書検索サイト「カーリル」で検索
https://calil.jp/search?q=変化に強く、イノベーションを生み出す+ネットワーク型組織のつくり方

出版社
https://www.subarusya.jp/book/b617437.html

以下、
まとめきれていませんが、ざっくりキーワードとして。
ピンとくるキーワードがありましたら、ぜひ本を読んでみてください。


vucaの時代と言われてから20年経つ

役員・部長・課長という組織階層で役割分担し、それぞれ決められた範囲で意思決定することが、効率性担保の仕組みだった

デジタル化による情報量の増大
顧客ニーズの多様化
 ↓結果
一人の組織長が、全てを把握して判断することの限界を超えている

新しい組織形態が必要

  • ホラクラシー

  • ティール

  • DAO 分散型自律組織

deloitte global adaptable organization をもとに、日本の18社にインタビュー

書籍には、4社ほどのインタビューが掲載されており、非常に興味深く参考になります。

方法論の特徴

  • 業務ではなく個人チームが主役

  • 権限移譲とガバナンスを両立させるフォーメーションの設計

  • 人の価値観ケイパビリティを変えるための制度

階層型組織は、上位者も答えが分からない取り組み(新規事業や今の時代ならではの課題など)には役に立たない

課長 → 部長 → 役員と、提言・相談したところで答えがわからない。時間がかかるリードタイムが長いだけ。

効率性から創造性へ

  • 画一性標準化から差別化個別化

  • 業務中心から人間中心設計へ

「長く一緒に仕事をすることで、信頼共感が徐々に生まれてくればよい」という時間に頼るやり方から、共有する時間は短いかもしれないが、強い結びつきと意思疎通が重要

すなわち組織のミッション、ビジョン、マインドセットの共有・共感が必要。

今までの時代は、効率性・計画性・要員配置数の適正化と、それらを実現する「標準化」「マニュアル化」に力を入れてきた。

これを「創造性が高まる組織マネジメント」に変える必要がある。

実現するには、

  • 目標、評価のあり方

  • 時間の使い方

  • スキルシフト

  • 心理的安全の担保

目標評価

業務の遂行量、結果としての金額など、定量的に測りやすいものではなく、結果だけでは測れない「試行錯誤の量」や「質的変化」を「観察する過程そのもの」が報われる仕組みに変える必要がある。

工数・生産性

定型業務では、作業を定型化して時間単位工数を効率化しようとする

創造的業務では、時間と成果の相関性は低い

研究開発職のような、裁量労働に近い。

成果にならない可能性が高い探索的な活動が必要とされることもある。
目標に直結しないことについても自由に時間を使える裁量が望まれる
例)グーグルの20%ルールなど

定型業務をやっていた人は、自由な時間に何をすればよいのかわからない。
それは、今までサボっていると見なされる世界で長年働いてきたから。

この意識を変化させることが極めて難しい。

一つだけ言えることは、スキルシフトは本人にとって前向きなものとして捉えられ、安心して取り組める状態・環境であることが極めて重要

既存企業は、まずは、効率化・標準化をやり切り、競合に対して競争力を高めたうえで、創造性の向上に取り組むことか理想

だが現実は、そんな余裕はない企業がほとんど。


組織のビジョン、パーパスへの共感によってもたらされるメリット

  • 従業員の自律的行動が、組織が目指す方向からそれない

  • 内発的動機がある

  • 専門性やスキル経歴は違えど、価値観の重なり合いが人材の有機的組み合わせを作る

進めるポイント

  • 価値観を押し付けない

  • 完全一致を目指しすぎない

信頼

階層や年齢などで上下関係がなく、誰もが一人のプロフェッショナルとして対等な関係を築き上げている状態

従業員の自律的発言行動を阻害する心理的要因

  • 失敗に対する恐怖

  • 頑張っても無駄

今日の正解が、明日は不正解かもしれないくらい変化の早い時代なので、失敗を恐れて正解がわかっていることしかできない組織は遅れを取る。

失敗に対する仕打ちへの恐怖が組織に存在すると、常に先手を取って創造性が高い成果を上げることはできない。

上位者に意見しても、その後の仕事に何らかの悪影響の心配がないことが重要

上位者は正しいという幻想
意見を言いやすく感じさせる聞く態度

信頼の高いレベルのチームは、目の前のタスクの話だけでなく、将来起点のビッグビジョンや夢想話ができる

年長者や経験者はサーバントリーダーとして、周りの能力を引き出すように振る舞う

お互いを信頼しながら、不適切な業務姿勢や成果物は見過ごさない適度な緊張感

OKRをチームで開示するのが効果的
お互いにOKRに見合っているかアドバイス


仕事とは関係のない人との会話が優れたアイデアを生むきっかけになる

グーグル社は、「食べ物まで150フィート」というコンセプトで社屋を作ったそう。
食のスペースは、どのオフィスからも150フィート以内。
様々な部署・担当者が食のスペースでざっくばらんに会話することで、優れたアイデアが生まれる

USJ再建で有名な森岡毅さんの言葉
「すべてのアイデアはよく分析してみると、過去に自分が触れていた人様のアイデアの断片の組み合わせでしかない場合が多い」

今までの階層型組織では上位者がアイデアを生み出していた

理由:
階層型組織では構造上、上位者に情報が集まっていたから。

デジタル時代になり、個人が多くの情報にアクセスできるようになった
各人の持つ情報の量、性質の違いが、各人の専門性が形成されていく

専門性の異なる意見が組み合わさり、結果として新しいアイデアが生まれる

だから、組織・チームの多様性が重要

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