第1回 初めまして!
高次脳機能障害ってあなたの周りに結構たくさんいる。
初めまして!
私は2017年に小脳梗塞で倒れ緊急入院した。
当時担当の医師からは『小脳は脳の過疎地だから後遺症は残りません』と言われた。それが、診断ミスとかいうつもりはない。多分古いというか、神経内科的にはそういうのが常識なんだろう。
でも、私は退院して再就職をしたら、何をやっても上手くいかない。
PCで作業していたのだが、任された仕事を取り合えず出来ていくのだが、不要なフォルダが何層も何層も出来てしまい、その中には完成したファイルや未完成のファイルが混在している。しかも何故かフォルダの中に同じ名前のフォルダがあり、その中にまたちょっとだけ違う名前のフォルダがある。しかも、どのフォルダの中にも“同じような”ファイルが混在する。
“同じような”と言うのが重要で、未完成の不ファイル、完成したファイル、何もできてなくて名前だけ付けられたファイルになっている。
ここまで聞いた人は『注意すればいいだけの事じゃん。不注意なんだよ』と思われるだろう。しかし、やっている私本人にとっては心の底から恐ろしいことなのだ。
何故かというと、これらのフォルダにもファイルにも記憶が無かったりするのだ。覚えているのは現在やっていること・・・または、つい昨日やった印象的な事だけだったりする。しかし、記憶していることの中に記憶を失っていることが散在しているので、記憶を一貫して思い出すことが出来ない。
見ているフォルダがそれぞれ正しいとしても、それをどのフォルダと繋げていいのかが分からない。一瞬分かる瞬間があるのだが、隣のフォルダを見るて開けてファイルを見ていると、前のフォルダやファイルとの関係が分からなくなるのだ。
これは、高次脳機能障害のほんの一部だ。
これから、私は自分が体験した高次脳機能障害を少しずつ紹介していこうと思う。
固く考えないでもらいたい。
高次脳機能障害の当事者って、あなたのすぐ隣にいらっしゃるし、気付かずに接している方もたくさんおられると思う。
もっと重篤で、自分の思いを口にできずに諦めている方もおられると思う。
私は、たまたま喋ることが出来るので、ここに機会を得て少しだけ役に立てたらと思っている。