#森保ジャパン
クリスマスツリー化するサッカー日本代表と悪化するボールを奪われる場所の関係
(写真:岸本勉/PICSPORT)
就任以来6年と数か月、森保一監督は目指そうとしているサッカーを具体的に語ろうとしなかった。
「臨機応変」。「賢くしたたかに」。「よい守備からよい攻撃へ」が精一杯。抽象的な表現でその場をやり過ごしてきた。たとえば欧州なら、それは代表監督として許されない振る舞いになる。代表監督のスタンダードが浸透していない日本だからこそ許される、ぬるま湯体質を象徴する事象にな
「賢くしたたかに」(森保監督)の落とし穴。5バックから4バックには戻せない
時に5バックで後ろを固める采配を「臨機応変で賢くしたたかな戦い方」と自賛する森保監督。普段、言質を取られたくないのか、サッカーの中身について詳細に語ろうとしないが、この件については大胆にも言い切っている。確信に満ちた口調で自信満々に語る。反論を浴びることを覚悟の上だとすれば、いい度胸しているという話になるが、実際はそうではないように見える。
「賢い」の対義語を辞書で引けば「愚か」だ。筆者は非森
コロンビア戦の終盤。中盤をダイヤモンド型に移行した森保采配に抱く根本的な疑問
洗練されたサッカーとは言い難い粗野な戦いぶりを披露しながら敗れたコロンビア戦。後半16分、ラファエル・サントス・ボレのバイシクルシュートで1-2と逆転されると、森保一監督は後半33分、守田英正に代え浅野拓磨を投入した。同時に布陣を4-2-3-1から中盤ダイヤモンド型の4-4-2に変化させる戦術的交代である。
森保監督は変更のあらましを書いたメモをピッチに入る浅野を通じ、ゲームキャプテンの遠藤
サイドバックにMF的な役割を課すサッカーがウルグアイ戦で不発に終わった理由
「サイドバックをいかに有効活用するか。第2期森保ジャパンの重要なテーマ」であるとは、3月15日発行のブログマガジンのタイトルだが、24日のウルグアイ戦では日本のベンチもそれに呼応するかのように、両SB(左・伊藤洋輝、右・菅原由勢)に従来とは異なる中盤的な役割を課していた。
ジョゼップ・グアルディオラがバイエルン監督の時代に、右SBフィリップ・ラームをマイボールに転じるや大外ではなく、守備的MF
日本代表メンバー発表会見で改めて露呈した森保監督の隠しきれない本質
森保監督に限らず日本人監督の多くは哲学を語ろうとしない。哲学を持ち合わせていないのか。語りたくないだけなのか。サッカー監督に必要な要素だとの認識がないのか。理由は定かではないが、この点こそが外国人監督との1番の違いであると、これまで何度か述べてきた。
言い換えるならば、それは色だ。他の監督と自分自身は大きく何が違うかという話である。それさえも曖昧にしたがる。「臨機応変」とは2018年7月、日
日本の3バックはなぜ森保式が大半を占めるのか
カタールW杯。その多くの時間を5バックと言いたくなる3バックで戦った森保ジャパン。その影響力はどれほどかと開幕したJリーグに目を凝らした。2節続けて5バックになりやすい3バックを採用したチームは18チーム中6チーム(広島、名古屋、鳥栖、札幌、福岡、湘南)。1試合の京都を加えれば計7チームで、全体の3分の1強を占めた。前シーズンは柏、降格した磐田もこの中に含まれていた。2分の1に迫る勢いがあった。
もっとみる三笘のスーパーゴールとデルピエーロゾーンが生まれた背景。布陣が選手を作る
レスター戦の前半27分。左のタッチライン際に開いた三笘薫は、ピッチの中央でパスワークに絡んだ左SB(サイドバック)ペルビス・エストゥピニャン(エクアドル代表)からパスを受けた。と同時に、相手の右SBティモシー・カスターニュ(ベルギー代表)と対峙することになった。
この2人はその5分前にも1対1を演じていた。三笘が内に切れ込むと見せかけて縦方向に切り返すと、ベルギー代表の右SBはたまらず置いて