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好きや得意で生きるために思いつきに飛びつかないこと

一流の接客術を心得たスタッフを用意し、最高の食器をそろえ、もっとも飲食店が儲かるという年末に、そこそこ安くて美味いものが食べられる毎日営業のBARをオープンした。

このお店は成功するだろうか?

と聞かれたらなんと答えますか。

「これだけではわからない」が正解です。

たとえば、実はこのお店、周囲3キロ以内にはまったく建物がなく、半径50キロでみても住んでいる人が数百人程度の場所にある。

という条件が加わったら一発でやめておいた方がいいとわかります。

あるいは立地は最高だとしても、この飲食店を出す人にとっての「成功」がイーロン・マスクくらいの金持ちになることだったら。

こちらの場合もほぼ確実に失敗するだろうと判断できそうです。

このことから、食器のデザインとか、接客の態度以前に、どのエリアでやるかだったり、そもそも何をもって成功とするかみたいな要素の方が重要であることがわかります。

頭に置かなくてはいけないのは、どうでもいいことをうまくやってもそれが重要になるわけではないし、多くの時間をかけたからといって上手くいくわけではないということです。

何かが上手くいくかを決める要素には階層性があり、より上位の階層で間違うとそれ以下がどれだけよくできても上手くいかないと言えます。

今日の執筆者:クダカ


<より上位の要素が重要>

スポーツ漫画や異世界もののアニメで、戦略・戦術・技術みたいな言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。

この戦略・戦術・技術は、まさに要素の重要性について階層分けしたときのそれぞれの階層の名前にあたります。

この3つだと戦略が一番上位の概念で、戦略がまちがっていたらいくら技術力があっても戦いに勝てません。

たとえば、いくら暗記テクニック(技術)がすごくても、全体で900点あるうちの50点しか占めない物理基礎を学ぶのに時間の大半を使っていたら、共通試験はさんざんな結果になる、みたいなことです。

というわけで、何か計画するときは上手くいくために必要な要素を洗い出し、どれから決まってないといけないかを整理するのが吉です。

とはいえ、方針がないと難しいと思うので僕が意識している階層わけを提示してみたいと思います。

だいたいどんな活動にでもあてはまりそうな階層分けをより上位にある要素から紹介します。

①私は何者か?
どんなにいい暮らしができても、高い地位を得ても、この価値観を満たしてなかったら自分は幸せじゃないんだろうなという要素です。これが一番上位の階層かと思います。僕の場合だと、人間のやさしさ・賢さ・面白さを引き出すのに貢献できてない人生だと死ぬとき悔しがりそうです。

②当面の目的は何か?
納得できる人生にするため、当面(数年〜十数年)この方向性でいくぞみたいなこと。自分の人生を物語として考えたときに、数年後にこんなシーンがあったら名場面として盛り上がるなってのを考えると出やすいと思います。

③近い目標は?
目標達成のため、この時期にこうなっている必要があるというのをさかのぼって考える。遠いほど不確定要素が増えるので、とりあえずおおまかに考えたら、今後3ヶ月くらいの近い目標に絞って明確にしたらいいと思います。明確にする際には、SMARTを参考にしたら設定しやすいです。

④決定的に重要な要素は何か?
いい感じに目標を設定したら戦略を立てましょう。むずかしく考える必要はなく、重要なのは「こちらの打つ手の効果が一気に高まるようなポイントを見極め、そこに狙いを絞り、手持ちのリソースと行動を集中させる」ことを決断することです。

戦略については、詳しく書いた記事があるので、こちらを参考にしていただけたらと思います。

⑤具体的にどうするか?
こちらは一般的な意味での計画です。今週はこれをやるぞと決めて、粛々と進める。その繰り返しですが、意外とここで「決まらない」「進まない」ということがおきます。会議がやたら長いのに何も決まらない。忙しいのにぜんぜん目的に近付いて行ってる感がないみたいな。これについては以下の記事を参考にしてみてください。

<思いつく人ほど気をつけよう>

今回の話は、一言で言えば戦略的に行動しようみたいな話でしたが、そのために極めて重要な心構えがあります。

それが「思いつきに飛びつかない」です。

特に頭にポンポンとアイデアが浮かんでくる人ほど気をつけた方がいいと思いますが、自分が今出しているアイデアはどの階層の話かということを意識した方がいいです。

いくらよい釣り道具を揃えても、水たまりで魚は釣れませんし、海に出て野菜を手に入れようとするのは間違っています。

まあそこまで見当違いではないにしても、他の方法はないかというのは考えて比較するべきです。

またアイデアは当然実行できなければ価値につながりません。

目的は何だったか、それに沿っているかを考えるのと同時に、そのやり方は続けられそうかというのも考えた方が良いです。

思いついたらいったんメモして時間を置くなどして冷静になるのも手です。


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