私は『ガラスの十代』だし、とにかく今家を飛び出して歌いたい
ガラスの十代を初めて聞いた中2の時はアイドルの曲なのになんて単調なんだろう。どこがサビなんだろう。と不思議がたくさん溢れた。
気づいた時は、10回はすぐにリピートしていた。
一文字一文字がここまではっきり聞こえる歌は初めてだった。
あんなに華やかな舞台と、多くの照明と、キラキラの衣装、みんなの憧れで若者の特権のローラーシューズを履いて、こんなに儚くて、十代を経験した人、十代真っ只中の人、全員に訴えかける歌詞と歌い方とパフォーマンス。
初見では、「アイドルだなア!!」
と感じ、
聞けば聞くほど、この人たち(光GENJI様)は、アイドルである以前に、「十代の男の子」なのだ。いま、男の子たちが私の心に囁きかけている。そう思わせる。
もし、私があの時代、私が、今は動画でしか見れない、あの場所に参加するとして、
光GENJIのパフォーマンスを、ペンライト(これだけは現代のを持って)を片手に持って、メロディーに合わせながら、ペンライトを振ろう。と思っていても、それはできないだろう。
片手でペンライトを振っている暇もなく、一音一音
一文字一文字、歌を聴きたくなる。1秒たりとも聞き逃してはならない。そんな緊張感に包まれ、歌が終わったらその余韻に何時間も浸るだろう。
そして帰り道は、ローラーがついてない真っ平らな靴で、でこぼこの道を滑っているかのように、使わなかったペンライトをマイクに見立てて、『ガラスの十代』を熱唱しながら帰るだろう。
友達か家族かと来ていたとしても、一人にならせてもらって、
街灯の光の下で、膝をついたり、回転したりしながら、歌いたい。
家に帰ったら、すぐ部屋に引きこもって、目を閉じて、脳内で「ガラスの十代」を何度も再生したい。そして風呂なんか入らず、歯磨きも顔を洗うこともせず、そのまま眠りについて、夢の中でも光GENJIに歌っていてほしい。
いや、夢の中では、私が光GENJIになりたい。
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現実に戻る。
この曲は、リビングなどで気安く口ずさんでそれを両親に聞かれたくない。歌いそうになっても我慢する。両親に聞かれたりなんかして、それが伝染して、気安く「こわれそうなものばかり集めてしまうよ輝きは飾りじゃないガラスの十代」だなんて夕飯前の50手前の父が歌う音も聞きたくなければ、それを歌う顔は、どんなホラー映画よりも見たくないものだ。(本物の)ガラスの十代の目の前で『ガラスの十代』を歌うなんてタブーなのである。
カラオケでみんなの前で歌いたくもない、ましてや合いの手とか一緒に歌われたら絶交する。
家の中での歌唱場としてど定番の風呂場でも決して歌わない。一ミリの音すら聞かれたくない。そして真っ裸で歌うものでもない。
一人で外でとにかく誰にも聞かれない場所で、夜に歌いたい。
私はなるべく「エモい」という言葉を使わないようにしている(その短い言葉だけで物事の感想を表すのではない!という固定概念雁字搦めじじいのような考え方をしているため。)が、もう、
言っちゃいます。
エモい!!!!
曲も、歌詞も、光GENJIも、
全部隅から隅まで満遍なくエモい。
もう、日付も超えそうな夜だけど、『ガラスの十代』を歌いに外へ行きたい。今急に飛び出したら母が心配するだろう。しかし『ガラスの十代』を歌いに外へ行きたい。とは言えないから、コンビニに行くとでも言う。
できれば、『ガラスの十代』を一人で歌う日という祝日を国に作ってほしい。
十代だけじゃなく、父みたいな四十代も私みたいに青春かぶれの余韻と妄想に浸りまくりながら歌いたい日はあると思います。
最後に、
光GENJI〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!様へ。
令和のガラスの十代たちに本物の『ガラスの十代』を聞かせてください。
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