思考力の鍛え方
世の中には〇〇思考という言葉がいくつかあると思うが、そういったものではなく、もっと大枠の考える力というものを鍛えるにはどうするのがよいかについてまとめてみる。
僕は思考力は予備知識やパターンと想像力の組み合わせによるところが大きいのではないかと考えている。
全く知らないことを一から考えるのは難しいだろう。天才やひらめきの達人といった人々は違うのかもしれない。ただ、想像することはできる。
ここでは、普段あまり思考をしないという人を対象に考えてみたいと思う。
僕は脳内で何かしらを、常日頃半ば自動で考えているような人間である。このあたりは個人差があると思うが、自分の脳内には文章のようなものが浮かんでおり、それに対して自問自答したり、流したりするイメージがある。
そのため、予備知識としてまずは言葉を知るというのがよいのではないかと思っている。
おすすめは紙の国語辞典を読むことだ。
以前、速読の本を読んだことがある。その中で、同じ本を何回も読むことで言葉・文章を知っている・内容を知っているというように徐々に変化してくるので早く読めるようになるという記載があった。
思考も同じで言葉や言い回しを知っていて、それらを思考中に繰り返すことで、思考がスムーズになるのではないかと考えている。
書き言葉や話し言葉では単語を知っている方が有利になることが多いと思う。ただ、思考においては上で触れたように、僕の脳内では文章に近いものがある。ここで重要なのは、単語そのものではなく、その意味や説明の文章・言い回しを覚えた方がよいと思っている。もちろん単語を含めて覚えられるのであればそれはそれでよい。
一例を挙げると、左顧右眄(さこうべん)という言葉がある。僕は知らなかったが国語辞典に載っていた。おそらく、知らなくても生きていくのに支障はない言葉だと思う。説明自体は特殊な言い回しではなく、日常使われる言葉などで構成されている。
仮に脳内で「世間の評判や思惑などを気にして、意見・態度を決めかねること」ってなんなんだろうなとふと考えた時に、左顧右眄という言葉を知っていれば、一発で検索できる。左顧右眄を覚えていなくてもその単語の説明がなんとなくでも断片的に頭に入っていれば左顧右眄という単語にたどり着けると思う。
事象や心情の説明などを表す言葉を優先的に頭に入れる方が思考のための予備知識としてよいだろう。
思考はスピード感があり、文章のようなものが飛び交うので、上の一例ではわかりづらいと思うが、言葉の説明描写が頭にあれば、何かしら疑問に思ったことを調べる際に、アプローチの手数が少なくて済むという利点がある。
脳内の限られた情報源でいかにして求める情報にたどり着けるか、これも思考力を鍛える一助になると思われる。
調べたいことから派生して色々調べるのも面白くはあるのだが。
そのため、様々な言葉そのものや言葉の説明(言い回し)知っておくのは思考力を高めるには必要だと思う。漢字辞典などもおすすめ。
予備知識の2つ目として、情勢(自分を取り巻く環境)を知るということが挙げられる。上の「辞書の言葉」もそうだが、今ではインターネットで様々なことが調べられるものの、自分の知識として頭に少しでもあるのとないのとではかなり違いが出てくると思う。
思考していて嫌なのは、何かを調べているうちに考えていたことを忘れてしまうことだ。自分の脳内にあればその手間を省けて思考に集中できる。
おすすめ本として、「日経キーワード」と「現代用語の基礎知識」を紹介する。
普段、新聞やニュースを見ていれば不要かもしれないが、書籍としてまとめられているので、一気に情報を取得できる。
読む中で、興味があるキーワードや分野を見つけるのもよい。日経キーワードはその名の通り日本経済に関するものが主な内容だ。世界情勢についても一部取り上げられている。
現代用語の基礎知識は日経キーワードとかぶる部分があるが、「時代・流行(ジェンダー、若者、世相、発言)」「文化・スポーツ」「新語・流行語・カタカナ外来語」などがまとめられており幅広くの情報が得られる。思考とは関係なく読み物としても面白い。
中途半端に知っていることで思考が偏ったりすることがあるかもしれないが、広く浅くでも知識はある方がよいと思っている。何かに使える可能性はある。
こちらの本もおすすめだ。2つとも試し読みができる。上に挙げた2冊より読みやすい。
浅く広く雑学が学べる「大人の教養 博識雑学2000」と、思考をするうえで心理的なものはたびたび登場すると思うので、知っておくと役に立つであろう「図解 心理学用語大全」の2冊を紹介しておく。
次は、思考するということに入る。
普段、思考をしない人がいきなり何かを考えるというのは難しい。生きていく上では、答えが一つでなかったり、答えがあるのかないのかわからなかったりすることなどに対して思考することがある。
ここでは、そのような答えがないようなものではなく、ひとまず答えがある問題について考え、思考力を鍛えたいと思う。
そこでおすすめしたいのが、共通テストの国語の問題を解くことだ。他の科目でもよいが、国語であればとっつきやすいだろう。解くのは現代文だけでOK。厳選された文章であるため、思考力を鍛えるにはよいと思われる。真面目に解こうとすると強制的に思考をすることになる。
日常、文章に触れていないと少し難しいかもしれない。問題集は解説が詳しいものが好ましい。なぜ、その解答なのか解説をよく読むこと。
あとは、やはり日常的に活字に触れるということが挙げられる。文字に慣れるまでは、小説でも何でも読みやすいものを読むのがよいと思う。
新書だと日常の疑問点や新たな着眼点を題材にしたものや目を引かれるタイトルが多いので思考力を鍛えるにはうってつけだと思う。文章に慣れていないと読みにくいという難点がある。あと理解しづらい。
下に挙げるAmazonの新書のページを眺めたり、VALUE BOOKSのページで紹介されている新書を出している出版社の本のタイトルを見たりして興味があるものを読んでみる。
自分が興味のあるジャンルの本を探すには、大きめの本屋に行って隅々まで探索する。その中で目に留まった言葉をメモしておき、なぜ目に留まったかを考えてみるのがよい。
様々なジャンルの文章を読むことで物事のパターンを学んだり、想像力を鍛える訓練をする。
後は補足として、テレビは処分するか極力つけないでおく。テレビ番組は基本的に思考の邪魔になるのでない方がよさそう。僕は何年かテレビ無しで生活をしているが、特に困ったことはない。音楽などは思考の邪魔にならない。
また、自分の考えや意見が無いうちは、youtubeのまとめ動画などは見ない方がよい。他人の思考と自分の思考がわからなくなるためだ。相手の言い分や理屈を理解したうえで自分も同じ意見であれば、予備知識として取り入れてよいと考える。いきなり何でもかんでも「この人が言っていることだから」と鵜呑みにするのは避けたい。
テレビや動画は受動的に見がちになるので、思考力を鍛える妨げになる。
一方で、上に挙げたような共通テストの問題を解くというのはある意味、受動的思考になるのだが、思考に限って言えば受動的でも能動的でも、鍛えるのにはあまり関係ないと思う。
まとめ
僕は思考は言語に近いものと考えているため、言葉に関連したものを紹介した。
①予備知識(言葉)を国語辞典や最近のキーワードが載っている書籍を読んで蓄える。
②共通テストの国語の問題を解く。(答えがある問いに触れる)
③様々なジャンルの活字に触れて、物事のパターンを学んだり、想像力を養う。(大きめの本屋を探索し、目に留まった言葉をメモして理由を考える)
①~③は思考力を鍛えるための準備に過ぎないので、自分でよさそうな方法を見つけてみるのも面白い。
慣れてくれば、あらゆることから思考につなげられるようになってくる(はず)。
テクニック的なものや新しい思考法などを学ぶのは、その先のステップかなと思う。
日常のふとした疑問や興味、好奇心などが思考の原動力になると思うので、日頃からアンテナを高く張っておくのがよいと思われる。残念ながら自分はできていない。
アウトプットの練習として、自分が考えたことをnoteにまとめるのはおすすめ。
どこかで目にした言葉などは記憶に残りやすいと思うので、ぜひ、タイミングを見て使ってみてほしい「左顧右眄」
思考は色々と制約が少なくてすむ。自由に思考ライフを楽しもう。
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