兄に言わなければいけなかった言葉
私は20年以上前に自死により兄を亡くした経験があるのだが、
今になって、
本当はこれを言わなければいけなかったのに言ってないな、
と気が付いた言葉がある。
当時兄は何度か自殺未遂を起こしているのだが、
私は兄に「死なないで」と言っていないのである。
20年以上前の話だから言った記憶がない、の方が正しい。
理由は、
今の私が想像するに、言ってキレられるのが怖い、とか、
言って深刻な話になるのが嫌、とか、
単純に死ぬわけないと思ってる、だと思う。
今だったらそのどれもにそうは思わないから、
すぐに「死なないでほしい」と伝えると思うのだが、
当時私は10代だった。
今の私は、当時の私を許そうと思う。
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