なぜKPI設定が必要なのか?~【解説】人的資本可視化指針(第20回)
2023年、あけましておめでとうございます。KPIの専門家として、人的資本可視化の考え方をまとめ、少しでも皆様のお役にたてるようにしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、人的資本可視化、待ったなしの状況ですが、より皆様の悩みに沿った解説をしていきたいと思います。投資家からみて、人的資本可視化が重要なのは、もちろん「人的資本」の内容が企業の競争力に結びついているのかどうか、です。
簡単に言いますと
人的投資⇒収益向上・未来の発展
ということを可視化され、そのつながりを証明してもらいたいと投資家は思っているということです。
より、ブレークダウンにしますと
【人的投資】人的資本を活用した人事政策・人材育成⇒その結果、政策・新事業・新製品の展開、社員1人1人のチャレンジ・挑戦姿勢や創造性・発想力の向上⇒事業企画と結果が出る⇒収益向上・未来への発展
というロジックが期待され、実際、指標と数値によって裏付けているということです。
人的資本可視化指針においても、上記のような人的資本・関連指標。関連する経営戦略・施策の図が紹介されていますが、矢印が論理的につながっているか、各レベルでKPIで設定して進行管理していくということこそ、KPIを設定・マネジメントする意味になります。
KPIの意義
さて、なぜKPIを設定するのか。定性的に「これができている」「あれがよかった」「・・・・ができなかった」というのは主観的な意見であって、客観的とは言いにくいものです。なのでKPI、つまり指標を設定して、数値を測定し、そのデータ分析結果にもとづいて議論をしないと、対話や思考も深まりません。
そのために、
①現状が可視化されること:
②数値の推移が見えること:
③比較・分析できること:
大きくいってこの3つがKPIの意義、必要性であると言ってよいと思います。指標を設定し、具体的な数値を見ていくことで業務を改善・イノベーションしていく前提になるのです。
人事データは秘匿性が高く、また定量化しているケースもありますが定性的であることが多く(日本企業にいえることですが)、データ分析にも消極的な方も多かった印象があります。しかし、データを持っているという意味では有数の部門です。活用が期待されます。
データ・ドリブン人事が企業のイノベーションを救う?
人的資本に関連してAs is - To beギャップの定量把握、データをもとに、現状を診断、各事業を評価する。このように人事施策や事業の改善を行っていくこと。人事が人事部門自身のマネジメントで進めていくのです、つまり、営業部門や製造部門がやっているのと同じように不断にするということです。データ・ドリブン人事が企業のイノベーションを救うはずです。
これから各指標を解説していきます。