『幸せな未来は「ゲーム」が創る』内容まとめ
『幸せな未来は「ゲーム」が創る』 Jane McGonigal(原題『Reality is broken』)について
どんな本か
現実世界にゲームを応用することでもっと生きやすい世の中が作れるということを語る本。三部構成となっている。
第一部「なぜゲームは人を幸せにするのか」では、ゲームに必要な要素を分析し、それらがどう人間の幸福に影響しているかを解説。
第二部「現実を作り変える」では、第一部で分析した結果を応用し、現実世界の退屈な作業や仕事にもゲーム性を取り入れることにより、幸福を感じられるようになることを、具体例を交えつつ説明。主に個人や小さいコミュニティ内で生かせるゲームデザインを紹介。
第三部「大規模ゲームはどのように世界を変えられるか」では、大規模オンラインゲームに莫大な労力が割かれていることをヒントに、大規模オンラインゲームが人を惹きつける理由を分析。さらにそれを現実世界に適用すれば、人類が協力して何か巨大な目標(地球の未来を救うなど)を達成することができることを、実際に著者が作ってきたゲームを使って説明。
第一部についてのまとめ
ゲームに必要な4つの要素
ゴール:プレイヤーが達成すべき具体的な成果。
ルール:ゴールを達成するうえでの制約。
フィードバックシステム:プレイヤーがどの程度ゴールに近づいているかを示す指標。レベル、得点など。
自発的な参加:プレイヤーはゴール・ルール・フィードバックシステムを正確に理解したうえで進んで受け入れる。参加するか脱退するかの自由が保証されている。
全てのゲームの根幹には以上4つの要素が存在する。
ゲームをプレイすることは、取り組む必要のない障壁を自発的に超えようとする取り組みである。
ゲームをすることで得られるハードな楽しさは快ストレスとフィエロ(誇り)とフロー感(達成感)からなっている。ゲームの障壁が高いほど、達成したときに得られるフィエロも強くなる。つまり、ゲームではプレイヤーはより高い障壁を望む。一方で現実では、高い障壁(ハードな仕事)は苦痛としてとらえられており、高い障壁は好まれない。
幸福を生み出すこと=内発的報酬を生み出すことである。外発的報酬(富や名声や容姿)は実は幸福に関係がない。では、ゲームはどのように内発的報酬をプレイヤーに与えるのか。
内発的報酬に必要な4つの要素
満足のいく仕事:明確なミッションと具体的な仕事。WoWは次々に仕事と豊富なゴールを与える。
成功体験、成功への希望:ゲームの失敗は楽しい。なぜなら成功への希望が見えるからである。ゲームをしていると失敗を恐れない楽観性が身につく。
社会的なつながり:非同期型のソーシャルゲームは人々の繋がっていたいという欲求を満たす。→向社会的感情を生み出す。
意味:自分よりも大きな存在の一部となること。大きな組織の一員となって何か大きな目標を達成することに人は幸福を感じる。
これら4つの要素が上手く設計されているゲームはプレイヤーに幸福を与え、積極的なプレイを生む。
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