今日も今日とて、運貯金。〜あの鳩はわたし〜
時にわたしの運貯金は、確変に入る。
朝の占いでわたしの星座は最下位ではなかったはず。なのに、次から次へと起こる小さなトラブル。
運貯金を一気に貯めるボーナスタイム。
超!大還元祭!
そう思わないとやっていけない厄日が時々訪れる。
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4時にかけたアラームがうるさい。
スヌーズ、またスヌーズで4時をだいぶ過ぎたところで起きる。
いつもなら止めて寝るところその日は起きた。目をつぶった時間も遅く、しかも興奮して眠れなかった昨夜。がんばれ、まぶた。
祝日はどこも混むだろう。だからスタートダッシュが肝心だ。
なんてったって、今日は紅葉を見にいくデート。
髪の毛もいつもより丁寧にブローした。
がんばりきれなかったまぶたは、乗車して早々に幕を閉じた。おかげで体力は少し回復。
朝も早いせいか、道は順調。
昨日雨を降らせた雲は消えて、青い空が出てきた頃お腹もすいてくる。
途中のコンビニでピザまんを買って食べる予定だったのに、ひと口食べたらカレーまんだった。
どうも色がいつもと違うと思った。
店員さんに言うと、交換ではなく、あたらしくピザまんをひとつもらい、カレーまんも食べていいとのこと。
伸びるチーズ、早起きは三文の徳。
目的地に到着したわたしたちは、まず神社にお参りすることに。
ご無沙汰してしまったことと、いつも見守ってくれているお礼を伝える。
目の前に現れたのは、鳩のストラップがついたおみくじ。
近くには鳩の形のサブレのお店もあるし、この辺の名物は、鳩なのかもしれない。
結果に引っ張られたくないわたしは、おみくじを引くのは遠慮した。
気分は大吉、それだけでよかった。
さっき紙で出来た「人形(ひとがた)」で厄を落としてきたばかりのわたしは無敵。スターを取ったマリオだった。
お昼は何を食べようかなんて話をしながら発見した紅葉スポットに引かれ、足を踏み入れた瞬間に背後で鳩の大群が一斉に飛び立った。
大群の中の、1匹がなんとわたしの左後頭部、左耳寄りに激突してきた。
その後着ていたパーカーの(あれ?フーディーか?)フードにひっかかり、びっくりした鳩は奥へ奥へ羽ばたこうとする。
羽をバサバサするたびに、左耳にあたりぞくぞくするのと、奥に引っ張られるフードがわたしの首を締め付ける。
びっくりしてパニックになった鳩以上にび っくりしてるわたしは
はにゃはにゃと声にならない声を出し、「たすけて…たすけて…」と夫に訴える。
それに気づいた将来有望な七五三の衣装を着たキッズはわたしを指を差し
「はとに、みくだされてる!!」と爆笑。
そんなにも難しい言葉を知っているキッズがいる日本の未来は明るい。
冷静な夫はわたしのフードを逆にし、そっと押し出すように鳩を出した。
あんなに人がいた中で、なぜわたしばっかり鳩に激突されたのか。
類は友を呼んでしまい、わたしからおっちょこちょいな鳩を呼び寄せてしまったのかもしれない。
わたしがいた場所の下には濁った川があった。
びっくりしすぎて、落下するようなことにならなくて本当によかった。
そんなことになっていたらおみくじは引かなかったのに、大凶だ。
頭左半分が汚れたような気がして、ウェットティッシュで何度も拭った髪の毛は
苦労してブローした髪型を奪っていく。
だだ下がったテンションを上げるためにはおいしいものを食べるしかないと、移動した先で偶然見つけた海が見える素敵なカフェに入る。
しっかりと乳化されたしらすのペペロンチーノがとてもおいしそうで、フォークにくるくる巻きつけると何やら黒い剛毛のようなものがぴよんと飛び出して来た。
そのパスタは作り直してもらい、おかげで出ねばならぬ時間を4分過ぎて1時間分多く駐車場代を支払うことになったのも
今日はそう言う日だから、と思うと諦めがつく。
家に帰って、お風呂に直行する。
シャンプーをするのに目を閉じた時、ふとあの鳩が思い浮かんだ。
羽を必死にバサバサさせていた感覚が左耳に残る。
わたしに当たってしまったことで、あの後仲間内でバカにされてはいないだろうか。
どんくせーとか、人間に追突するとかまじウケる。なんて言われてないだろうか。
今は多様性の時代。
ぶつかる鳩も、ぶつからない鳩もどちらも鳩。
自分と「同じニオイ」がする鳩だった。
この日は帰りにショッピングモールに寄って帰った。
探していたガチャガチャを発見し、1番に欲しいものが出た。勢いづいたわたしは、もう一回まわすとなんと…同じのが出た。
1番に欲しいものが、ふたつも手に入る。
ガチャガチャでも確変がきたわたしは、なんてラッキーガール。
今日も今日とて、運貯金。
運を貯めて貯めて貯めまくって、いつかでっかい何かの時に貯金をおろすわたしの物語。