本との距離⑬(450字)
神奈川・横浜という"やや都会"から、沖縄・伊平屋島という超田舎へ。横浜市内ですでに転校を二回繰り返していたこともあり、生活環境が変わることに対しての怯えはなく、ただただ楽しみばかりがあった。
どこの港を出たかはわからないが、車ごと大荷物を乗せたフェリーは鹿児島を経由して、沖縄へ着いた。(おそらく)那覇で降りてからは、一度、例の奇抜なじいちゃんのところに寄った。もう体は良くなかったと思う(会ったのはその時が最後で、葬式に参拝した記憶がある)が、お年玉替わりの小遣いをくれたのをよく覚えている。
そして、美ら海水族館より北にある今帰仁村の運天港へ。そこから1時間半ほどまたフェリーに乗った。船酔いした。吐いた。島の洗礼である。そんなこんながあり、赤瓦の平家での島暮らしが始まった。
引越しで家にある本は、母が選別して持ってきたものくらい。ぼくらは少しばかりの漫画を持ってきただけ。とくれば、学校の図書館がやはり本に近づく唯一の手段だった。しかし、ぼくは島にきても問題児のまま、学校そして本との距離は遠のく。
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