「若者のすべて?」をさぐりたい、本のあるスローな場づくり「fab box」
本のあるコンビニ「ホンビニ」をめざしたくて。
昨日と今日は、それぞれ半日くらい、4月から開けられるようにお店の準備をしていた。ホンビニをつくる。ちなみに、このホンビニとう概念は、長崎の戸田屋書店を参考にさせてもらった。
あくまで参考なので、運用形態は違ったものになる(地域性も立地も違うので、当然といえば当然か)。「本のある」は、「本を買える」だけでなく「本を借りられる」といった私設図書館としての機能を持たせるつもりだ。すでに家に「i book room」という読書室を開いてるのだけど、そこにある本の一部を移動させ、配置した。お店づくりの初期フェーズは、本屋よりも図書室としての色合いが強くなるのではないかと思う。
また、無人駅隣にある元駄菓子屋だったスペースの利活用になる。学生たちが気軽に立ち寄れるように、駄菓子はもちろん、腹を満たすための食品を扱う。あとは、サブカルなどに触れる・話せるような場というのも少ないように感じるので、「本をきっかけに」という間口だけでなく、ヴィレバンのような雑貨も扱えるようにするのが長期的な展望である。
「コンビニ」という言葉を挙げちゃってるけど、べつに24h営業でやるわけでなく(まあまあ昔or地方にたまにあるコンビニに近いかも)、まずは学生の下校時間に合わせてopenしてみるかんじ。「convinience(便利なもの)」は扱いたいけど、どちらかといえば「もの(商品)」だけじゃない「ばしょ」としても「convinient(便利な)」であれたらと考えるわけで。イメージとしては、ぶっちゃけ共同売店に近いんだよなぁ(沖縄で育ったときの記憶をたどりながら)
あと、建築や場づくりな観点でも「KILTA大山」として、ハードとしても1年かけて空間をいじっていく予定だ。リノベなど学びづくりも一緒に行っていく。
ちなみに、店名は「fab box」である。「中島菓子店」から地元学生たちと進めたプロジェクトで「saku box」となり、そして「fab box」である。「saku 」には「咲く(すぐ上にある公園は桜の名所)」と「作」の意味を込めていた。「fab」には「fabrication(ものづくり)」と「fabulous(愉快な)」という意味がある。
ちょっと調べててオッとなったのは、フジファブリックがインディーズ時代から2009年までの記録をまとめた『FAB BOX』がすでにあったこと。小文字で考えていたのもあり、もろかぶりせずにホッとした。そして、お店のコンセプトを考えていたときに、ふと聴いていたのが『若者のすべて』だった。
そうだ、この場所は少しずつ増やしていくお店になるんだ。最初は週1ペースで考えてるけど、open日を増やしていく。それと同時に立ち寄ってくれる学生を中心とする若者たちがほしいものを商品と仕入れ、お店で扱えるものを増やしていく。現状、若者に必要なものがわからない。だからといってギャンブルでいきなりいろいろ在庫を抱えるようなやり方もできない(人的・予算的に)。スモールスタートで何をどれだけできるのか。そうやって時間をかけて場を育てていく。
…..となると、やりながら探っていくわけだ。何を?ーーーー若者たちがほしいものを。ああ、そうか、全然わからない「若者のすべて」を自分たちなりに探っていくリサーチとしての場にすればいいんだ。だから、お店のコンセプトは、こう決めた。
「若者のすべて?」
非日常としての突拍子なことをやりたいわけじゃない。日常としてのゆるやかな変化、日常の中にちょっとした非日常(の気配)が見つかればそれでいい。
ぼちぼち、じわじわ、ゆっくり進めてくよ。だから、せかさないでね。