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本との距離

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現状、本を「好きでも嫌い」でもないけど、「本を売ること」をしはじめた、地方出身・中産階級以下で育ってきた人間が、どのように本と関わってきたのか。 年齢とともに本との距離感が移ろ…
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#距離感

本との距離⑬(450字)

神奈川・横浜という"やや都会"から、沖縄・伊平屋島という超田舎へ。横浜市内ですでに転校を二回繰り返していたこともあり、生活環境が変わることに対しての怯えはなく、ただただ楽しみばかりがあった。 どこの港を出たかはわからないが、車ごと大荷物を乗せたフェリーは鹿児島を経由して、沖縄へ着いた。(おそらく)那覇で降りてからは、一度、例の奇抜なじいちゃんのところに寄った。もう体は良くなかったと思う(会ったのはその時が最後で、葬式に参拝した記憶がある)が、お年玉替わりの小遣いをくれたのを

本との距離②(400字)

恥ずかしながら、20代までを年間1万も本に使わない生活していた。と書いた。本離れはしてたけど、雑誌には、活字にはどうにかしがみついていた。 大学生になった18歳からは、暇あれば大学図書館にいた。手にするのは図書館の奥にある難解な本ではなく、図書館の外のエントランスにあった、表紙やレイアウトに惹かれる雑誌だった。 AERAの最後らへんにあった(今でもある)「はたらく夫婦カンケイ」というコラムを毎週楽しみにしていた。彼女なし童貞野郎だったくせに……と今思えば、なんとふざけた娯