【家族旅行記】三本槍岳と甲子温泉 大黒屋
6月15日・16日に、家族で登山&温泉へ行ってきました。
御年ななじゅう・・(あれ?いくつだっけ?)の父は登山が趣味でして、この度20歳から挑戦し始めた「日本百名山」完登を成し遂げたのです。
父が家族で登りたいと最後に残していた山が、今回登った福島県と栃木県の県境にそびえ立つ「三本槍岳」。
福島育ちの父は幼い頃からこの山を見て育ってきたんだそうな。父にとってはエモい山、略してエモ山というわけなんです。
山頂では、エモ山から我が故郷が見えると言って懐かしそうに目を細めておりました。(遠くて私にはどこだかさっぱり分かりませんでしたが)
結局、登山は家族5人(父・母・弟・夫・私)で、合計6時間ほどかかりました。
傾斜も急ですし、途中狭い崖を鎖にしがみつきながら登っていかねばなりません。
そう、決して初心者向けとは言えない山なんです。当初の話だとリフトがあって、そこからだと比較的平坦な道しか歩かないと聞いていたのですが、直前になってリフトがすでに営業していないことが発覚。ガーン・・。
しかしまぁ父の記念すべき日なので、あまり気乗りはしないものの家族総出で行くことに。
そしたら初っ端、パーキングがまさかの満車!路肩やトイレ横にも車がびっしり。こちとら朝4:00起きだというのに、一体皆さん何時から登っているんだい?
でもここまで来て諦めるわけにもいきません。
どうしようね~と駐車場内をのろのろ徐行していたその時です!なんと目の前の車がサッと出ていってくれて1台分だけ駐車スペースが空いたのです!何という幸運でしょうか。
エモ山が久しぶりに帰ってきた父に助け舟を出してくれたとしか思えません。
それにしてもまだ朝の8:00ですよ?あの車の主は一体何時から登っていたのだろうか・・?
まぁ何はともあれよかった!早速、登山開始です!
道中はもちろん大変でしたが(持病の内反小趾で途中から足の小指がとても痛かった・・)、景色は大変に素晴らしかったです。峠を風がビューと通り抜け、誰かの熊すずが風鈴のごとく涼しげな音を奏でる。
まるで風の谷のナウシカ的世界に入り込んだかのような異世界感を味わえました。
さて下山後。
個人的には今日のメインはこれからです!そう、温泉っっ!
これに入りたいがために登山がんばったんです!!!
というわけで早速☆この日泊まったお宿をご紹介しますね。
日本秘湯を守る会の会員宿でもある「元湯甲子温泉 大黒屋」です。
ここの旅館の目玉は何といっても150年の歴史を誇る大岩風呂。
実はこちらの旅館は、当時9歳だった父が家族や親戚と湯治で訪れた思い出の温泉宿なんだそうです。
父の実家は農家なのですが、当時農家の人々は冬の閑散期に、温泉場で自炊しながら長期滞在する習慣があったそうで。
ということは今回の旅行、父にとっては山のみならず宿もエモエモだったというわけですね。
ちなみに、当時の大黒屋の貴重な写真が残っていました。
昭和30年頃に撮影された写真で、父が訪れたのもちょうどこの頃です。
当時は簡易的な掘っ立て小屋が立ち並んでいるだけだったそうな。
今や立派な旅館となり昔の面影はありませんが、唯一変わらずに残っているのが先ほどの大岩風呂なのだそう。
こちらのお風呂、普段は混浴なのですが早朝と夜間の2時間ずつは女性専用となるため私も入ることができました!
まず驚いたのが水深!めちゃめちゃ深いです。私の身長(150cm)だと肩まで浸かります。
お風呂の淵の部分が一段高くなっているので、ここに座ると丁度良い感じ。
まぁ昔は混浴オンリーでしたし、今よりもっとたくさんの人々が湯治で来ていたのだろうし、立ち湯している人もたくさんいたのかもしれませんね。(父はプール代わりに泳いでいたそうな。)
お湯はぬるめで、じっくり長く入っていられます。
写真だとちょっと分かりづらいですが右奥が岩壁になっていてそこから湯が出ています。
そしてお風呂中央には大きな岩があり、触ると子宝に恵まれるということから、別名「子宝の湯」と言われているそう。
深めの単純温泉でじっくり温まることで妊娠しやすい身体にもなるんだとか。
さぁ温泉の後は、お楽しみの宴会です。
ビールが美味しかった~~~~!
やっぱりお風呂上りの一杯は格別ですね☆
宴会は、まず本日の登山主催者である父からの挨拶とお礼の言葉から始まり、主賓(我ら夫婦)からの祝辞、その後記念品の贈呈へと移りました。(酔っぱらいのノリです。)
そして良い感じに出来上がった我々は部屋に戻り飲みなおし・・。宴会は夜更け近くまで続いたのでした。
食事は夕食の福島牛が(写真は撮り忘れてしまいました)、柔らかくて美味しかったです!
この辺りは高原なので結構な数の牧場もあるようです。旅館までの道中で酪農家さんも数件お見かけしました。
きっとその恩恵なのでしょう。朝食で出た牛乳とヨーグルトはものすごぉく濃厚で美味しかったです。
さて、そろそろ旅行記も終わりです。
総評として、大黒屋は歴史が深くて隠れ家感のある大変素敵なお宿でした。
余談ですが、以前に那須塩原の温泉に行った際にも感じたことなのですが、この辺り(福島県・栃木県)の温泉地は結構穴場だと思います。
外国人観光客も日本人観光客も、他県に比べると大分少なく感じました。
特に若者が少ない。これといって映える観光スポットが無いからかもしれませんが、その素朴さが魅力ですので、気になった方は是非いらしてみてくださいね。
おすすめのプランとしては、温泉でのんびりしてお土産に道の駅で蕎麦を買い、白河ラーメンでも食べて帰るって感じですかね。(今回の我々のプランそのままw)
そうそう、車で40分も走れば有名な観光地の「大内宿」がありますので、そこに立ち寄るのもおすすめです。
大内宿は江戸時代に栄えた宿場街道で、今でも茅葺屋根の家々が民宿や土産物屋として立ち並んでいます。江戸時代にタイムスリップした気分を味わえますよ。
それでは、最後まで家族旅行記にお付き合いいただきありがとうございました。
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