旅と人生は似ている|ニュージーランド旅の終わり
ロトルアからオークランドに戻る日。
3泊滞在したロトルアから離れるのはさみしかった。
ロトルアは魅力的な街だった。まだまだ行きたいところがたくさんある。
昼頃にバスを予約していてあまり時間がなかったが、最後の最後にもう一度、レッドウッドフォレストへ。
エアビーホストの奥さんに案内してもらい、今回はちゃんと入り口から入って、20分ほど森の中を早歩き。
息はあがるけど、森では空気が吸いやすく気持ちがいい。
それからスーパーマーケットに寄って、バスの集合場所まで送ってもらった。
奥さんには感謝しかない。
このエアビーを選んでほんとによかった。
またロトルアに来る時があったら、ここに泊まりたい。
エアビーを初めて利用してみて感じたのは、普通のホテルに泊まるより、何倍も得られるものが大きいということ。
現地の方の話を聞けることも価値があるし、人と関わることであたたかい気持ちになる。
奥さんと ”また会いましょう” とハグしてお別れ。
さみしかったけど、本当にまた会えるような気がしている。
バスに乗り込むと、近くに座っていた青年ふたりに話かけられた。
日本人だというと、知っている日本語を披露してくれた。
ただ近くに座っただけなのに、名前を教え合い、よろしくと挨拶するのは、日本では経験したことのないこと。
ゆるく友好的なこの感じ、とても好き。
「袖触れ合うも他生の縁」という言葉を思い出した。
この縁はどんな縁なのだろうと、考えてもわかりそうにない疑問を頭の中でぐるぐるしていたら、眠ってしまっていた。
目が覚めると、窓の外一面に牧場が広がっていた。
澄んだ空と、芝のグリーンと、十数頭の黒い牛が草を食べているだけの最高の景色。
夕刻、オークランドに到着。
ホテルにチェックインし、荷物を置いて、夕食を食べに出かけた。
この日は休日だったからなのか、街中は人で賑わっていた。
ニュージーランドでの最後の夜。
街では、賑わいを通り越して、警察が出動していた。
オークランドは最近治安が良くないと聞いていたが、本当かもしれない。
寄り道せずにホテルへ帰った。
今回の旅行でわかったことは、旅は「選択と決断」の連続だということ。
それは人生でも同じ。
旅ではその「選択と決断」がより高い頻度でやってきて、ぎゅっと凝縮されている感じ。
どこに行くのも、何をするのも、何を食べるのも、すべて夫婦ふたりで選んで決めていく。
お互いの性格や問題点など、暮らしの中ではわかりにくかったことも、一緒に旅をすることで明確にわかってしまう。
お互いの価値観がはっきりする。
相手が大事にしていることがわかり、尊重し、歩み寄ることができる。
そして、自分は何を大事にして生きているのか、新たに気が付くこともある。
この旅での気づきはすべて宝物。
翌朝。空港へ向かう。
空港の中にあるカフェでランチ。
ニュージーランドでの食事もこれが最後になってしまった。
ブラックコーヒーを頼んだのだが、エスプレッソのような濃いコーヒーが来た。
こってりソースの卵とサーモンとレモンは相性抜群。
旅の途中、時々立ち止まり目的地を決めて、そこへ行く手段を探すというステップを踏む。
そして人生においても、まず夫婦ふたりの共通の目的地を設定することが必要なのでは、と思った。
今回旅行してみて、ニュージーランドが心の底から大好きになった。
だが、私たちの中で、ニュージーランドに移住するという ”人生の目的地” は選択肢からなくなった。
移住はしないが、これから何回も行きたいと思っている。
次回は南島にも行きたい。
北島でも充分なくらい自然が多いと感じたが、自然が好きなら南島がおすすめらしい。
南島は、自然がたくさんある中にちょこっと人間が住まわせてもらっているようなところだそうだ。
想像するだけでわくわくする。
ニュージーランドにいると、なんともいえない清々しい感覚に体じゅうが満たされる。
豊かな自然とラブリーな人々に癒された旅だった。
シンガポール旅行からニュージーランド旅行までの旅の記録、終わり。
読んでくださった方、ありがとうございました。