…恋愛拒否!
今までに女性と肉体関係を持つこともなく生きてきたが、そうなる理由は父が言ったひと言にあった。
父に尋ねたことがある。
「何故ボクには兄弟がいないの?」と。
その時に、父が放ったひと言が、ボクの脳裏から離れることはなかったのです。
「おまえと同じようなのが生まれるのか嫌だったからだ!」
自分でも、そうなる可能性があるのではないかと、不安に思っていたものが、父のそのひと言により、ボクの心の中で確定したといってもよいのだろう。
修行僧のように女性と肉体関係を持つことを、我慢するようになったのである。
それも期限付きではなく、これから生きていく間、ずっとのことである。
右手指が奇形ゆえに、いわれなき差別も数多く受けてきて、それを子供にまで受け継がせることは、とても出来なかったのである。
「それならいっそのこと、恋愛することを封印してしまえば良いのではないか」
そう考えるようになった。
15の春のことであった。
知り合いが、経験しろと言い、女性を紹介してきたので、一度だけ経験した。
それが「最初で最後」のことであり、それ以上のことは望まなかったのである。
避妊薬を飲ませてまで快楽を求めようとは、考えようのともしなかったのだ。
恋愛拒否することに決めたのである。
あとになり、ボクのような状態の子供をボクが授かることは確率的に、かなり低いということが判明した。
だが、「もういいよ」という気がして、考えを変える必要もないと割りきった。
パートナーは欲しいが、それ以上のことは望まない。
ここまでの年齢になり、考えを変えることもないと思うから子供は欲しくない。
他の面でもそうだが、父親の思いつきからの言動に振り回されてきたのである。
いまだに父の亡霊に縛られているのかもしれないな。
BAD END
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ブルーライト浴びすぎてないですか?
ファミコン1日1時間、パソコン1日好きなだけといいます。
そんなに書けないけど・・・また読んでください。