「天ざる」と「天もり」
本当は玉笑に行きたかった
次の予定もあるし
湯島から渋谷まで行って並んでまでなんて時間はない
今日は蕎麦以外考えられない
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室町砂場 日本橋本店が近い
まだ行ったことがない
決まった
「砂場」は大坂を起源とする蕎麦屋老舗のひとつ
初めて行く店では「天ざる」と決めている
老舗蕎麦屋の天ざるを堪能したい
昼時ではあったが席は空いていた
小さな二人用のテーブル席に案内される
隣席との間が狭く肩がぶつかりそうだ
「天ざる」がテーブルに置かれた
頂からお箸を斜めに入れる
山が崩れにくく程よい分量のお蕎麦が取れるからだ
箸で取ったお蕎麦は途中で噛み切らずひと口でいただく
カッコつけてググッただけであるが
ご覧の通り蕎麦は山になっておらず平ぺったく盛られていた
その場合はどうすればよいのか・・・
長嶋監督がフグを食べるようにすれば多分2箸半くらいで無くなる量
いただきますのタイミングで隣の席に品があるご年配のおばさまが座る
食べ始めると肘が当たってしまいそう
そんな距離感をおばさまも察し
「すみませんねぇ」と品ある振る舞いを受ける
笑顔で軽く会釈を返す
おばさまのもとに店員さんがやってきた
おばさまが店員に問う
「天ざる」と「天もり」は何が違うのかしら?
「さらしな粉」を使うか「一番粉」を使うかだけの違いです
「うちの天ぷらは汁に漬けてあるんです」
「パリっとした天ぷらを召し上がりたいのであれば単品でご注文ください」
悩むおばさま
そんなおばさまにまだ手を付けていないテーブルの上の「天ざる」を指差す
「これが天ざるですよ」
納得されたおばさまは「天ざる」を頼まれた
更科粉で打つ喉越しよい蕎麦
濃い目のつゆに浸る胡麻油香るかき揚げ
ごちそうさま
でもやっぱり天ぷらはパリッとしてる方がいい
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