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人生を歌う「森の小さなレストラン」

よくショート動画などに使われている、「ドングリをたどっても着きません」から始まる、のどかな感じのお歌。

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なんと最後は「お墓の中まで届けましょう」となっていることから、トラウマ曲扱いを受け、「最後の晩餐の歌だ」「死を連想させる」などと言われて、ある意味恐れられています。赤いトタン屋根は、血を表しているなどの考察も。

如何様にも解釈できるこの歌、私が紐解こうとすればするほど、そこに怖さはなく、「人生ってこういうもんだよ」と、そっと指し示してくれてるように思うのです。ここで現れる「森のレストラン」は、人生の目的やミッションといったものの象徴である気がします。

見ていきましょう。

♪ドングリをたどっても着きません〜
 忘れた人から辿り着く

ドングリは、行くべき道を示してくれるもの。あなたの人生のミッションや目的に辿り着こうとするときに、誰かが敷いたレール、つまりドングリをたどっても、到着することはできないのです。ミッションや目的を見つけたいから、誰でも自分の手持ちの何か(ポケット)を探ってひっくり返して見つけようとするけど、頑張って探してもそこは何もないように思えて虚しくなったりするものです。だけれど、見つけようとする努力そのものは忘れて、日々自分に正直に、全力で生きていることで、森の小さなレストランにたどり着くことができると言っているように思えます。

♪予約はひとつもありません〜
 小鳥がバタバタ笑ってる


敷かれたレールに沿って来るわけではないので、予定通り自分のミッションに到達する人はいません。また、空席だらけということは、誰しもがそこに行けているわけではない、いうことも物語っています。

♪真っ赤なペンキのトタン屋根〜
 バイオリン フルート チェロ ビオラ 

これまでのように考えていれば、真っ赤なペンキから血や死を連想することはありません。これは、ミッションなどというものが必ずしも見栄え良いものではないことの象徴ではないかと思うのです。真っ赤な情熱に溢れるものであっても、重厚な瓦やレンガなどではなく、トタンのように人から見たら地味に見えたりするようなものです。
だけど到達すれば、華やかな音楽を聴いているかの如く私たちはそれを楽しみ、幸福感を得ることができます。

♪ようこそようこそいらっしゃい〜
 明日は明日でエトセトラ

満腹になるような幸福感に一時は浸ったとしても、ミッションに至ったら、明日は明日で、毎日やることがあります。

♪右から左へおおわらわ〜
 デザートはありません

さっきの続きで、ミッションに生きることでのんびりできず、常に困難とは隣り合わせです。
手乗りの子熊は、従業員。または家族、子どもなど。働いて(勉強して)欲しいのに、踊っちゃうなんて自由だったり、またはクマなので攻撃性を見せることもあります。手乗りなのに思うようには動かせません。
ここでは、料理がおかしな順番で出てきています。オードブルが一番始めではない。順番がメチャクチャなことは、予測不可能な日々を表しています。手乗りのこぐまのように自分の範疇になく、それを超えたところで、さまざまな試練が来ます。そして、デザートがないということは終わりが来ないということです。ここまでやったらいいとか、満足とか、終わりとかいうことがなく、日々起こるいろいろなことに対処をしていく、それこそが人生であり、生きている限り色んな試練が次々来るものであることを象徴しています。 

♪お墓の中まで届けましょう
 今宵は最後のフルコース

フルコースと言ってくれてるので、ここで、デザートまで出るのではないかと勝手に思っています。ただしそれはお墓の中で、つまり死んだ後で。人生の終わりとは死ぬことであり、生きている間は何かここで終わりということもなく、何か到達したように見えてもまだまだ課題はあるよ、生きてやるべきことがあるんだということでしょうか。そうやって死んだ後に、歌ははじめて、デザートまで寄越して讃えてくれるのかと…そのように思います。 

いかがでしたでしょう、おりびあ的考察。
以上のように当てはめていくと、これは人生の応援歌のように思えます。自分のミッションが、子どもを育てていくことでも、はたまたGAFAのような大企業を運営していくことであっても、ここで示されていることにはみんなぴったり当てはまるのです。

いや、ミッションなんて言葉をわざわざ使わなくても、いいのかもしれません。自分の役割をその場その場で精一杯果たしていくとき、
「人生、やりきったということはなく、生きてる限り色んなことが起こるもんなんだよ」
とそっと教えて、最後のデザートで応援してくれるのがこの歌なのかな、と思います。

皆さんはどのようにお考えでしょうか。

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