動悸が止まらない
メルカゾールを再開して1か月以上が経過した。
そろそろ効果が出てきてもいいはずなのに、相変わらずベッドに横になると激しい動悸に見舞われ、日常生活でもことあるごとに息切れを起こしていた。
心臓が悪くなったのか。
そんな不安を抱えながら日々を過ごしていた。
その間にも仕事や家族の世話は続く。
ぼんやり空を眺めたい。こんなことを思う時間が増えつつも、こんな時間を持つ余裕は私の時計には持ち合わせていたんかった。
次の伊藤病院の通院は1月を予定してたが、年内に一度行っておきたいという変な直感が、2024年12月17日の通院を呼んだ。
その日は午前中会社の健康診断だった。
心電図検査で、検査技師の方が幾度か検査をやり直し、長い時間心電図をとっていた。
やはり異常があるのだろうか。心臓か。
頭の中は不安があふれていた。だからこそ、健康診断を終えた足でそのまま伊藤病院へ向かったのかもしれない。
採血を終え病室に入ると、
「この薬の量じゃだめだね」
と先生は言った。
前回よりも悪くなってた採血値。
毎朝メルカゾール5mg * 3錠と、薬を大幅に増量することとなった。
減薬まで至ったのに…本来ならばこうショックを受けていたのだろうが、心臓はバセドウ病が原因だったことが分かった気がして、少し安堵してしまった。
全ての原因はバセドウ病なのだろうか。それならそうと、わかりやすく示しておくれ。私は自分の身体に心から伝えていた。
太陽がくっきりでて、12月とは思えない温かさに見舞われたこの日。気持ちを落ち着けるため空を見上げて散歩した道は、清々しくて、私はこんな音楽のように軽快な足運びをしていたかもしれない。