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シンスケ@筆先案内人(フォロバ100)
2024年3月29日 20:55
200メートル程度の短いトンネルを抜けると、心地よい南の風(はえのかぜ)が出迎えてくれる。 通勤中の佐々木は、物憂げな気持ちを紛らわす為に車の窓を少しだけ開けた。そして、その風を肌で感じながら車を走らせた。中途採用として、この島にある造船所で働く。今日がその初日である。 緩やかなカーブを過ぎて直線に差し掛かると、立派な白い橋梁が姿を現した。二体の巨人がつり橋を引っ張り上げている