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金原ひとみ「デクリネゾン」感想~誰かに大事にされたい~
☆今年活動目標☆
自分の足元に水滴がひとしずく落ちしじわじわと広がっていくように、外へ外へと動いていきたい。
しみこんだものが自分の力になるといいなぁ~
☆今年の読書目標☆
あまり読んでこなかった海外小説にもチャレンジしていきたいなぁ~
では、本年もよろしくお願いします🐰
🐷🐷
年末には読み終わっていたのですが、今年最初に紹介するのはー!
ドゥルルルルルル....🥁じゃーん!
金原ひとみ「デクリネゾン」です。
仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた最新長編小説。
多くの人が、人として守るべき善悪や是非の判断...すなわち「倫理観」なるものを持ち暮らしている...が!!
金原作品は、”その”対極の人を描く。
「そもそも小説に求めるべき価値は、社会的正当性のない言葉を如何に伝えられるか、だけです。』(本文より)
ちゃんと宣言してるし、そこがわたしは好きだし♡
巷で、金原版ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」との声がしたのだけど...たしかに設定は似てるかな。
自らの不倫が原因で二度の離婚歴ある小説家女性。
今は大学生くんとつきあっている。
母親の不用意な一言「お前なんて産むんじゃなかった」で非行に走った「不良少女と呼ばれて」に対し、恋多き母のせいで環境不安定なのに不良にもならず理解ある娘ちゃん。
恋愛(男)、仕事(小説家)、家庭(娘)
外からみれば、すべてを手に入れた贅沢な女なのに...。
孤独と不安がつき纏う。
孤独』はドラマも同じでわたしにとっても永遠のテーマかな。
ドラマのセリフの中で、
「ひとりでも大丈夫だけど、誰かに大事にされたい」
うんうん、わかるよー。
本書の主人公も自分に正直なだけで、とわ子さんともわたしとも同じ。
ふだんは一人でも全然大丈夫なのに、ふとした時に…やっぱり誰かに大事にされたいと渇望する。
最後は、個性豊かな人たちが集う新しい家族のありかたのような終わり方だったけど...。どうなの?
「コントロールできない世界を生きるのって辛いですよね」(本文より)
コントロールできない個々の世界でどれだけ寄り添うことができるのか、ってことで「デクネゾン」というタイトルがピッタリだったとわたしは解釈して終わりにします。
※「デクリネゾン」とは、様々な調理方法でひとつの食材を生かすことを意味する。