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安堂ホセ「ジャクソンひとり」感想~わからなさを楽しもう~

少し前まで...今でもか?
ハリウッド映画でみるアジア人(日本人)

背が低く、出っ歯で、ビン底眼鏡をかけて、首からカメラをぶら下げているサラリーマン風。

そうだな...水木しげる「サラリーマン山田」のイメージ。



私たち日本人からすると、一人ひとり違って見えるから、
ぜんぜん違うよー。
いまどきビン底眼鏡って...そんな人いないよ。
苦笑してしまうが、世界からみればそんな風に見えているのだろう。

それでも違うは違う。
違いがわからないなんて、ちゃんと見てないし、ちゃんとわかろうとしていない。

自分のことになると憤るのに、他者のことになると鈍感になっていたりもする。

本書は、鈍感なわたしに向け、見てますか?
わかろうとしてますか?
それとも...と、問いかけてきた一冊。

【第168回芥川賞候補作】←受賞ならず残念。
【第59回文藝賞受賞作】
衝撃のデビュー作!
東京に暮らすブラックミックスたちが企む鮮やかな逆襲劇。スポーツブランドのスタッフ専用ジムで整体師をするジャクソが着ていたロンティーから偶然QRコードが読み取られ、そこにはブラックミックスの男が裸で磔にされた姿が映されていた。
ブラックミックス=ジャクソンと判断され、本人が否定しても信じてもらえない。独自で調査していくうちに、三人のブラックミックスの男たちと出会い...。

黒い、肌が、髪、お前しか、人種、こんな人間、こういうタイプ...(本文より)

本人が違うといっているのに、見た目だけで動画に晒されている男がジャクソンだと決めつける。

ジャクソン怒!!
犯人をみつけてやるー。その過程で出会う男三人。
共通点は、ゲイでブラックミックス。

ある日、入れ替わりの映画を(←タイトルは明記されていないが「君の名は」だよね?)見て、「俺たちも、入れ替わっちゃう~」

ジャクソン入れ替わり劇場のはじまり。
ここから物語が加速し、えっーーー!
最後は謎解きも楽しめちゃう仕掛けにびっくり。

が!!
だれがだれだかわからーん。
っていうか、ジャクソンが知り合いになり入れ替わるメンバーが一度読んだだけでは、ジャクソンだっけ?ジェリンだっけ?イブキだっけ?エックスだっけ?

で...だれだっけ?混乱するレ(゚∀゚;)ヘ=З=З=З

紙と書くもの用意だYO。
真梨作品を読むと時のように相関図を...と思ったが、
あっ!わからなさが本書の魅力だよね。

わからなさが痛快で、復讐劇のラストの大どんでん返し!?にも驚いたもの。

全体的にスタイリッシュでスピード感ありで映像で見たい作品だった。

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