安堂ホセ「ジャクソンひとり」感想~わからなさを楽しもう~
少し前まで...今でもか?
ハリウッド映画でみるアジア人(日本人)
背が低く、出っ歯で、ビン底眼鏡をかけて、首からカメラをぶら下げているサラリーマン風。
そうだな...水木しげる「サラリーマン山田」のイメージ。
私たち日本人からすると、一人ひとり違って見えるから、
ぜんぜん違うよー。
いまどきビン底眼鏡って...そんな人いないよ。
苦笑してしまうが、世界からみればそんな風に見えているのだろう。
それでも違うは違う。
違いがわからないなんて、ちゃんと見てないし、ちゃんとわかろうとしていない。
自分のことになると憤るのに、他者のことになると鈍感になっていたりもする。
本書は、鈍感なわたしに向け、見てますか?
わかろうとしてますか?
それとも...と、問いかけてきた一冊。
本人が違うといっているのに、見た目だけで動画に晒されている男がジャクソンだと決めつける。
ジャクソン怒!!
犯人をみつけてやるー。その過程で出会う男三人。
共通点は、ゲイでブラックミックス。
ある日、入れ替わりの映画を(←タイトルは明記されていないが「君の名は」だよね?)見て、「俺たちも、入れ替わっちゃう~」
ジャクソン入れ替わり劇場のはじまり。
ここから物語が加速し、えっーーー!
最後は謎解きも楽しめちゃう仕掛けにびっくり。
が!!
だれがだれだかわからーん。
っていうか、ジャクソンが知り合いになり入れ替わるメンバーが一度読んだだけでは、ジャクソンだっけ?ジェリンだっけ?イブキだっけ?エックスだっけ?
で...だれだっけ?混乱するレ(゚∀゚;)ヘ=З=З=З
紙と書くもの用意だYO。
真梨作品を読むと時のように相関図を...と思ったが、
あっ!わからなさが本書の魅力だよね。
わからなさが痛快で、復讐劇のラストの大どんでん返し!?にも驚いたもの。
全体的にスタイリッシュでスピード感ありで映像で見たい作品だった。