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句集『地球酔』土井探花句集を読む。

土井探花氏の句集『地球酔』を読みました。



五句選

どうでもよいひととけっこうよい花火

29ページ


二箇所の「よい」の使い分けがよいと思いました。

名月といふ塊を信じぬく

59ページ

中秋の名月など、
名月はSNSさえも賑わす存在。

月を美しく感じる感性は、
DNAに刻まれた感覚かもしれない。


落し物の秋思がきれいすぎる件

60ページ

「〜の件」はライトノベルのタイトルやネットスラングでよく見る言い回しである。
※ライトノベルの場合「〜な件」という言い回しもある。

まさか俳句に取り入れるなんて!
という意外性と、
俳句の内容が好きです。

ひきがへる地球は誰の遺作だらう

84ページ

同じ句にあることで、
ひきがえるのでこぼこのある肌と、
地球の地表の凹凸が似ているなという
発見がある句。

時空を超越したような宇宙目線、
スケールの大きさにも惹かれる。

轡虫あなたも地球酔ですね

163ページ

クツワムシの、ガチャガチャした鳴き声を地球酔と捉えた詩的感覚が良い句。



購入方法


作者の土井探花さまのnoteに、
色々な購入サイトのリンクがあります。

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