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ターゲットは人ではない。その音楽はどこに向けて発信されているのか

音楽を心地よいと感じる心理というのは、自分が育った音楽文化に強く影響されている
とされている

それはなんとなく想像がつくし、どれだけ多くのジャンルの音楽を聴いてきたかによって音楽を聴く耳は変わるということになる

確かに、演歌を好きな年配の方は若人の音楽を嫌がる人もいるし、その逆も然り

そういえば、東野圭吾さんの作品の中で「調律の狂ったピアノで音感がついた人が一般的な調律を聴くと気持ち悪く感じる」というエピーソードを書かれていたが、何という作品だっただろう
その話の真偽は定かでなはい

我々は音楽を作る時、自分の感覚が頼りとなる
自らが心地よいと感じる音楽を作っていく
もちろん、ある程度共感を得たならば共感をしてくれた人というのは似た音楽文化圏にいる人になるだろう

仕事などで「〜風」というような注文がある場合、その対象となる音楽を聴いてそのように作ろうとする
しかし、それが自分の中で心地よいものでなかった場合、なかなかに苦労することもある

僕の場合はクライアントが何を良いと感じているのかという意図をヒアリングして対象の音楽を分析するようにしている(作曲家はこのような作業を行っていると思われる)
仮に自分が全く心地よく感じなかったとしても客観的にその音楽に触れることはできる

つまり、これは自分が音楽を作る時にだれに聴かせるのかという指針にもなる
自分が作っている音楽のジャンルはなんなのか、どういった人が聴いているのか
そういったことを考えなければ闇雲に人に聴かせても共感は得られないということなのだ

先の例で言えば、演歌しか聴かない年配の方にJ-POP聴かせても
「そんな賑やかな音楽うるさくて聴いてられへんわ」
と言われるのが関の山だ(経験談)

ビジネスなどではターゲッティングという言葉が出てくるが、音楽にも使われる
なかなかに乱暴な言葉だと思う
年齢層や性別などで決められることが多いが、実際にはそれだけでは難しい
今みたいに色々な音楽が交錯する時代は特に厳しい

クラシックの演目に弾き語りは入らないし、ロックのコンサートに演歌歌手が入ることも少ない(最近のフェスではジャンルを超えたプログラムはあるけど)

すなわち、「誰に向けて」ではなく「そんな音楽文化圏の人に向けて」発信するかが大切なのだ
J-POPだからって今は細かくジャンルわけされている
ちゃんと考えないといけない

色んなジャンルを幅広く聴いてる人もいるけどさ

さて、エレクトロニカなんて時代遅れの音楽をやっている僕はどこに向けて発信すればよいのだろうか?

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