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6月19日「やばいゼ!中国SF」

2021年6月19日の日記。

「やばいぜ」ってタイトルにつけるのがもうキショやばすぎて全米が泣いている。「ぜ」だけがカタカナなのも戦慄。やばいぜ~。


●今日の喜怒哀楽
喜:服売って身軽になった。
怒:服売ったものの、値段が安かった。驚くほど安かった。これからは響いたものだけ買おう。
哀:お昼にお箸もらい忘れた。我が子を食らうサトゥルヌスみたいな顔してかぶりついた。
楽:昨日の反省を活かし、お昼はお箸を使わないパンを食べた。のけぞる程でかいウインナーやらチーズが入ったパンだった。めちゃくちゃ美味しかったので食べながらダンスを踊りたくなった。その一瞬の高揚を、世間では「楽しさ」と呼ぶのかもしれない。愛かもしれない。世界はそれを愛と呼ぶのかもしれない。サンボマスターに影響され過ぎだよ。

●今日のニュース3
・「ヘディングの危険:上 得点量産の父、『ヘディングに殺された』」2021年6月19日朝日新聞子どもとスポーツ


私はサッカーに疎いから知りたいんだけど、やはりヘディングという技はこうした危険性が報告されてもなお、選手の方にやってほしいと望まれるものなんだろうか。

・「大坂なおみ、ウィンブルドン欠場へ 東京五輪は出場意向」


弱みを見せないことが美徳とされる風潮に心底うんざりするね。

参考:「大坂なおみさんへの差別にうんざり… 見るに堪えないネットの意見と、便乗するメディアの汚さ」



・「中国SFが世界を席巻する理由、他国の作家に書けない作風とは」

中国SFブームがすごい。劉慈欣のSF小説『三体』は世界中で二千万部を超える大ヒットとなり、ネットフリックスではドラマ化も決定している。中国ではSF都市型テーマパークも開発予定だとか。本文にもあったが、それだけ中国の科学への探求心は尽きないのだろう。

どの国にも言えることだが、科学の発展が進み技術への期待や喜びが膨らむにつれて、不安や疑心の影も色濃くなる。そうした「たられば」の卵を人間の想像力で沢山産み付け、本や映像として孵化させる。その孵化した蛹が私たちを守ってくれる成虫となるのだろう。


三体はまだ全シリーズ読み切れていないのですが、先にこちらを読みました。その名もどどん「中国・アメリカ謎SF」!

2021年6月21日

こないだも紹介したけれど、詳細にはできなかったので…。

全然関係ないけど帯良すぎじゃない??「漂い出る想像力」て…垂涎の才能とセンスですわ。まあまだ途中なんだけど。読んだもの紹介するね。
まず「マーおばさん」(遥控 著)。これは漢字の思い込みを逆手に取られたような中国だからこそできるSFですね。もう素晴らしかった。私は星新一さんの作品を「SFの父」だと思ってるんだけど、こちらは「SFの母」なる作品ですね。コンピューターのテストエンジニアの青年が、試作機「マーおばさん」との対話をきっかけに、生命とは何か、知性はどこからやってくるのかといった思索的かつ哲学的な問いに誘い込まれていく。(本文のあらすじより)
SFの真骨頂である、難しい科学の話を「端的に・わかりやすく・コミカルに」描ききったこの作品はまさに文学と科学の橋渡し的傑作と言っても過言ではない。なんと驚くのはこの作品が20年近く前に書かれたということだ。先見なんて言葉が軽く見えるほどの圧倒的な想像力。果たして私たちが液晶越しに会話している相手は人間なのだろうか。そもそも人間とは何なのか。生命とは、外の世界とコミュニケーションをとる複雑なシステムのことを指し、人類全体がまさしく一つの生命体なのかもしれない。ヒューマニズムへの疑いと、ミクロとマクロの錯覚を体験させてくれる本作は、100年後の人々が読んでも興味深い一冊に違いない。とにかく読了後、砂糖がたっぷり入った甘いコーヒーが飲みたくなりますね。


続いて二作目「改良人類」(王諾諾 著)
いや面白かった!タイトルからワクワクしていたんだけどタイトル以上でした。個人的に、こういったSFに出てくる改良された人間って機械化されたイメージだったんだけどうわああそうきたかという感じでした。作者の方が「心配なのはロボットが人間を征服するような未来予測ではなく、技術や情報が人間の存在意義を失わせる未来の方です」と語っているのも興味深い。「アイデンティティ」という言葉が失われた世界で、主人公は残された個性とどう向き合い、自身の道を選択するのか。選択に悩みもがく主人公がそこまでも人間らしいと感じる一方で、「人間らしい」とは何なのかといった原始的な問いにふと立ち止まる。個性的であることがもてはやされ、認められる現代。反対に遺伝子的な「個性」、例えば病気であったり性格であったり美的価値観であったりそういったものが無へと帰結した時、その世界は「理想の社会」と言えるのか。
例外則ばかりの人間だからこそここまで絶えることなく進化し、今日の私たちがいるのだと思う。人間が人間の生をコントロールすることはどこまでも傲慢で業深いし、もしそうなってしまえば人類は衰退の一途を辿るだろう。
読了後、安部公房さんの「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」が読みたくなった。改良人間よりかなり前の段階の話だし、趣旨もまた違うんだけど、何故か思い出した。


●その他

日記の溜癖がついている。誰かお暇な方に注意願いたい。







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