トロントで教育を考えた(3):靴博物館や小児病院に貢献する寄付の文化と市庁舎でのカウントダウン。
12月31日【カナダ3日目】靴と小児病院とカウントダウン
久しぶりのトロント旅行記の更新です。
ここ2日間、スーパー・グローバル・ハイスクール(通称:SGH。文科省のグローバル人材育成のための事業)にも指定されている高校を見学して、英語学習含むグローバルな学びについても書きたいのですが、まずは書きかけの旅の振り返りを。
ちなみに、その高校もこれまでASEAN諸国との交流に力を入れていたが、今年の一年生からはカナダに海外学習に行くとのこと。アジアからの移民が多いというのも理由のひとつだと仰っていました。
そんなこんなで、旅行記を書く勢いをもらってきました。
さて、本題。長くなったので、この日のトピックスをまとめました。
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・靴の博物館
・世界有数の小児病院
・市庁舎でのカウントダウン
・ところどころで寄付の話
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気になるところだけでもどうぞ。
この日の午後から本格的な見学がスタートです。
と言いながら、アポは昼からだったので、朝は the Bata Shoe Museumという靴の博物館へ。
ここの入館料は1人14ドルですが、その日は無料の日でした。トロントの美術館・博物館には曜日によって安くなったり、無料になったりするところがあります。
ただ、受付の方に「好きな額を寄付してくれてもいい」と言われたので、いくらだったか忘れましたが寄付をしました。私自身、日本では日常的に寄付をすることはないですが、このあともいろいろなところで寄付の力を感じることになります。
入ってすぐ迎えてくれるのは、吹き抜けの天井からぶら下がったたくさんの靴型。圧巻です。
ここのコレクション数は13,000以上で、世界各国の靴や有名人の靴が並びます。
これはエジプトの靴。駆け足で見たので、英語力の低い私は全部の説明を読みきれませんでしたが、なぜ靴が生まれたかという説明も書かれています。
日本の靴も紹介されていました。神道の靴。
日本でも実物を見た記憶はないですが、他にも雪国の藁靴なども展示されています。
世界各地の靴だけでなく、有名人の靴や「Fashion Victims」という企画展など思った以上に盛りだくさんで、最後は待ち合わせ時間ぎりぎり。駆け足で博物館をあとにしました。
そして、やってきました。本日のメイン、SickKids。
世界でも有数の小児病院だそうです。
今回、知人の方のつながりのおかげで、ここで働いている先生(お医者さん)に案内していただきました。
その大きさもさることながら、入口でクマの兵隊が迎えてくれることにまず驚きます。
そして、中に入ってさらにびっくり。
ここはリゾートホテルかショッピングセンターですか?というようなカラフルさで、一階にはフードコートもありました。お寿司屋さんが入ってたりと、バリエーションも豊富。おもちゃを売っているお店もあります。
これらは全て子どもたちが病院を怖がらないですむようにするための工夫なんだそう。
診察室もカラフルでおもちゃがあったり、診察室とコンサルトルーム(保護者などに説明する部屋)が別だったり、プレイルームは各フロアに4つあったりと、工夫はあらゆるところに見られました。
その最たるものは、お医者さんも看護師さんも白衣を着ていないこと。正直誰がスタッフなのか、ぱっと見ると分かりませんでした。
写真はどこまで出していいか分からないので、自粛しますが、1つだけ。フロアの受付の天井にスパイダーマン(クリスマスバージョン)もいました。
その他、移植用のフロアや一時滞在用のフロアも見せていただきました。
もちろん、病院なのでつらそうにしている方々にも遭遇しましたが、それでもここで過ごす子どもたちや家族のことが、非常によく考えられていると思います。
関わるスタッフも多様で、ソーシャルワーカーも普通にいますし、院内学級もあると聞きました。
自分が日本の小児病院に行っていた頃の記憶がないのですが、今の日本の小児科はどんな感じなのでしょう?
ちなみに、すぐ隣には研究棟もあって、世界各国から集まった医師や研究者が遺伝子や何から様々な研究をされています。置いてある分析用の機械も専門ではない私でも驚くくらいの充実ぶり。
建物自体も工夫がなされていて、いまどきの会社のオフィスのように研究者同士の交流がしやすいような交流スペースもありました。
研究棟から見た病棟の写真。真ん中の方にヘリポートがあります。離島にいるとドクターヘリは身近ですが、カナダも広いので必要になるのだと思います。
この研究棟の建設費用の結構な額も寄付金によって賄われているそうです。
病棟の一階にも寄付した方々の名前が掲げられているボードがありました。私も知っているような有名企業もちらほら。様々な部分でこうした寄付に支えられているということでした。
こんなに充実した見学をさせていただいて、とってもありがたいのはもちろんなのですが、数時間にわたって英語の説明を聞き続けたので、終わったあとには、知人が泊まっているホテル(の人のベッド)で爆睡するくらい疲れきっていました。
それでも夜には待ちに待った、市庁舎の前で行われるカウントダウンへ繰り出します。
これが市庁舎。なんともおしゃれです。
着いた時間がまだ少し早かったので人もまばら。ステージでは有名とおぼしきDJが会場を盛り上げます。
会場の横には、企業の協賛で、無料のスケートリンクも併設されています。
このTim Hortonsというのはカナダではスタバより多い、カフェ・チェーン(メインはドーナツ)です。
そして、だんだん人が増え、音楽に合わせて好き好きに踊りだします。別に踊ることを強いるわけでもなく、みんな楽しそうです。
酔っ払ったような人はほとんどいないようなで、子ども連れもたくさんいました。
会場の一体感も高まり、いよいよ2016年になる瞬間。いまどきですね、みんなスマホで撮っています。かく言う私もご多分に漏れず。
そして、市庁舎から花火が上がります。レーザービームも。さらには市長さんの挨拶まで。行政ってこんなに柔軟なんですね。
初めての海外での年越し。日本なら、紅白見ながら年越しそばを食べて、近所の神社に初詣に行くのがいつものパターンです。
今年は、こんなにたくさんのCanadianか観光客かもはや分からないたくさんの人たちと共に、なんとも楽しい気分で新年を迎え、帰路につくのでした。
無料の地下鉄に乗って。(詳しくはこちら→トロント:地下鉄事情)
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