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「子どもたちの階級闘争」は役に立つのか

映画や音楽でけっこう泣いてしまう。本でもときどき泣いてしまう。

電車でバスで涙腺に効く本を読んでるときは危なっかしい。危険な本を並べて注意喚起したい。

本屋さんのダイアナ

柚木麻子の小説、すごく好き。

めちゃくちゃ泣いた。辛かったり、感動したりと忙しい体験だった。
主人公2人の女の子の友情が最強で、誰にでもお勧めしたい頼もしい小説だった。

今日も嫁を口説こうか

これも泣いた。お笑い芸人のアルコアンドピースの平子さんの本だ。

お嫁さんに対する愛をひたすら綴っていた。
わたしは未婚で、伴侶も必要ないと考えていた。
これを読んで結婚っていいかも・・・と思いつつ、こんな最愛な人に出会うことなんてあるのかな?と思った。

子どもたちの階級闘争

そして、これ。
電車で読んで泣いてしまった。

著者はイギリスの最下層の託児所で働く保育士さん。緊縮政策で子供たちが遊ぶおもちゃを買えなくなったので道やゴミから拾って、それをお風呂で洗っている場面。
長いけど、引用したい。

投資誘致も金利操作もけっこうだが、うちの風呂場にぷかぷか浮いている玩具はどうなるんだ。それはPCのスクリーンや金融取引所の電光掲示板に流れる数字ではなく、厳然とした形あるものなのだ。ポピュリズム呼ばわりされている欧州の若者たちの反緊縮運動を、グルーグマンやピケティといった経済学者たちが「正しい」と支持する道理だ。道端から移民のおばはんが拾ってきた玩具で遊ぶ子どもたちが二十一世紀の英国にリアルに存在するのである。子どもや若者を育てない社会はノーフューチャー。というかスーサイダルでさえある。2015年の欧州で反緊縮を叫んで立ち上がっている若者たちの姿は、ヨーロッパの自殺願望者を食い止めようと踏ん張っている若い命の姿ではないだろうか。

「地べたはここだ!」「ここに生活があるんだ!」という怒りのシーンだ。
まったくもってごもっとも。
この本より未来を生きてるから、2024年は労働党が圧勝していたことを思い出した。

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