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【悪魔の証明 -なかったことを「なかった」と説明できるか】は役にたつ

なかったことを証明できない、俗にいう「悪魔の証明」に対して論理的思考を元に、悪魔を打倒しようと試みる意欲的な本だ。
むちゃくちゃ面白かった。
一気に読んでしまった。2時間程度でグワっと集中して読んでしまった。
プリンは食べた。

面白かった理由は、参考文献にあり!
わたしも触れたことある、キリスト教の欺瞞を暴く本が羅列されていた。
「なかったことを証明する」というテーマに聖書はこれ以上ない題材だ。
「悪魔の証明」の「悪魔」の部分にもかかっていて洒落ている。
ローマ・カトリックの権威を守るために、キリスト教が語ってきたファンタジーに対するカウンターに溢れていた。
(あとがきで著者はキリスト教が好きだ、と記していた。)

リチャード・ドーキンス・・。とはいわないまでも、その意地悪な語り口はグイグイ読ませるパワーがあった。

そして、他人にオススメしたくない本でもあった。
それは著者の歴史認識について正直「えっ、、」と思うとこがある。
例えば「慰安婦問題」。「南京大虐殺」。
反日ナショナリズムと、嫌韓•嫌中感情の対立構造という単純化されたくだんなぇモンにスリ替えられている、この本のテーマは「悪魔の証明」なので、韓国や中国の主張に論理があるのか?について書かれているのは仕方ないことかもしれない・・。
でも、人間の尊厳を蹂躙したコトについて当事者をガッポリ抜かして語られることに嫌悪感がある。
政治の話のまえに、まず語られるべき前提があるはずだ。

この本の参考文献にキリスト教の本は羅列されていても、上述したような近代史トピックには希薄なのとは付け加えたい。

この話は、まだ読んでないズバリな本が家にあったので、近いうちに読んでもう少し考えようと思う。
(この新書の著者は左派傾向。上手く表現できないがバランスってむずかしい。)

「慰安婦」問題とは何だったのか

キリスト教が批判されれば楽しく読めて、相容れない著者の主張には思うところがある・・・。という二面性。自分のナラティブについて考えさせる本だった。

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