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丹野智文さんと出逢って

丹野さんを知るきっかけになったのは、施設でVRの認知症研修を(シルバーウッドの黒田さん)してもらったことに始まります。

その時若年性認知症の当事者の丹野智文さんという方がいるというお話をしていただき、認知症の『備え』の大切さを教えていただきました。

始めて出会ったのは津の三重県総合文化センターに来てお話ししていただいた時でした。

VR研修の時の印象が残っといたので丹野さんが三重に来て下さると聞き職員10名ほどと一緒に講演会に参加したことが初めての出会いです。

その日、思い切ってfacebookでメッセージを送り友達申請をさせていただきました。すぐに承認してくださり丹野さんの心の広さを感じました。

いつか丹野さんに自分の施設に来てもらい講演会をしてほしい。そんな想いを抱きながら過ごす日々でした。

施設に来てもらった経緯

そんなある時、法人全体で眠りスキャンというセンサーを導入する話が上がりました。

夜間の眠りの深さを知ることにより入居者さんの日中の活動に繋げる。そんなアイテムでありながら、離床センサーとしても使える…

離床センサーって使ってほしい人どれだけいるんでしょう?

当然勝手に使うことは良くなくて、本人に話をし許可を得てから使わせてもらう。もしくはそれを一緒に確認することが大切なはずで、それを導入前に何度も説明したのですが、介護の職員さんは入居者さんに聞くことなく、離床センサーを使い始めてしまいました。


そのことを聞いた時、自分の価値観、考え方が介護の業界に合わないのか?と自問自答を繰り返しました。

そして認知症の当事者である丹野さんに答えを求めようと思い、ここでも勇気を振り絞り丹野さんにMessengerで聞いてみました。

そしてその話をすると「奥田さんの思いを叶えられるなら施設に行ってあげるよ」と気軽に言ってくれました。

そしてトントン拍子で施設に来てもらえる日が決定しました。

当日の出来事

当日仙台から三重までひとりで来てくれた丹野さん。

ホテル近くの駅に迎えに行ったのですが、初対面に関わらず気軽にお話をしてくれました。

認知症の方に対する施設の現状を生々しく話してくれました。その言葉は、実に真実味があり、そりゃ入居したいと思えないよね!という内容が多々占めていました。

そして聞いてみました。

「丹野さんにとっていい施設とはどんな施設ですか?」

そうすると即答で「お茶を入れさせてくれる施設。自分でお茶を入れさせてくれる施設がいい施設」とのことでした。

それは当たり前のことであって当たり前のことが出来ていない施設が多いことを物語っていました。

そして介護の職員さんがすることは「当事者ができる環境を作る事だ」と教えてくれました。

「介護の職員さんはみんな優しいから…」なんて気を使ってくれていたのか本音かはわかりませんでしたが、その言葉の深さ『リスクのない暮らしのつまらなさ』を教えていただきました。

施設での公演はこの本の内容をたくさん話してくれました。


そしてその後の焼肉です。

生から始まりハイボール。

そして営業時代の話で、施設で働く職員が大切にしなければいけない事を丁寧に話してくれました。

認知症のお薬の話、そして認知症に良いとされる食べ物がおいしくない話、リハビリの専門家の先生より人生の目標がADLを上げる話。恋愛の話や悩み事は認知症のことではないことなどなど

沢山お話ししてくれました。

たいせつなこと

そして印象深かったのが「今日の朝ごはんを思い出すことより夕ごはんに何を食べるか?のが大切なこと」

終わったことを無理やり思い出させるのではなく、未来を一緒に考えたい!

これが今でも心に残っているお話です。

この日以降、自分でできる事をしてもらえる環境作りにまい進する日々が始まりました。

丹野さん!

来ていただいてから施設の職員みんなでお茶を入れられる施設目指して取り組んでいます。

本当にありがとうございました。

そしてまた来てください!!

再会は一瞬
さて令和2年の2月16日に丹野さんと再会することに…

普通にロビーで座っておられました。目が合うとこちらに来てくださりこどもとハイタッチ
丹野さんの魅力に再度触れる機会となりました。

そしてその日の記事をFacebookであげると

丹野さんから返信が…

この日から『おともだちに』なりました。
こんなアフターフォローまでしてくれる丹野さんの行動はホント勉強になります。

素敵な人と『おともだち』になれて最高の出会いでした。

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奥田史憲
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