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フゴフゴキノコ 化するエスプレッソ

序章

未踏でエスプレッソマシンを開発しています、おかDです。

突然で申し訳ないですが、画面の向こうの皆さんはデジタルネイチャーについてどの程度理解しておられますでしょうか?(詰め寄る)

僕は最近、少し理解しました。   (ドヤァァァ)

※この記事はLabcafeアドベントカレンダー2023の12/8の5人目の回として寄稿しています。


目次


僕の夏休みはどこへ

2023年6月、運よく未踏に採択されたことをきっかけに、エスプレッソマシンを本格的に開発し始めました。(詳しくは以下)

記事でも書いた通り、東京の説明会で高校同期に遭遇し、本郷のコワーキングに行ったのですが、どうやら居心地が良すぎて田舎者が本郷に居着いてしまったようです。
夏休み期間中にシェアハウスに入居し、1日中コワーキングで開発を行っていました。

タイトルは「IPA未踏に採択された初日の驚き」です。
公募概要にもある通り、結果が通知された後に説明会があります。
東京に出向き、そこで高校の同級生と説明会で遭遇するのですが、、、

その方に連れて行ってもらった学生のコミュニティとなっているバーで化学のバックグラウンドがある大学院生と出会い、エスプレッソの化学的な議論を数時間しました。その結果として、なぜエスプレッソが美味しくなるのかを論理的に理解でき、点と点がつながった感覚(Connecting the dots)がありました。これが、未踏稼働日初日の驚きです。大変驚きました。

IPA未踏に採択された初日の驚き

エスプレッソマシンをコワーキングに置かせてもらい、シェアハウスとコワーキングの往復の日々。たまに滋賀に帰る。作業日報用のカレンダーが作業実績を示すオレンジで埋まっていきます。

友人のいる空間で非常に楽しく、やはり滋賀の自宅に比べて生産性も上がりました。
高校同期も、お兄さんのような未踏同期も、仲良くなったコワーキングのみんなも、とてもいい人で充実した夏休みでした。

おかげで開発の初速が理想的なものになりましたし、Yコンビネーターの短期合宿のような流れで開発に集中できたのは貴重な経験でした。

ところで、誰か僕の夏休みがどこに行ったか教えていただいてもよろしいでしょうか?

僕の冬休みはどこへ

多分、冬休みもそんなにないと思います。一周回ってもはや毎日が休み。

開発について

開発について、ChatGPT(LLM)を常時利用しています。細かいコードの記法を覚えなくともプログラムが書け、プロンプトで開発ができる。意図をうまく伝えらえれないことの苦労や、前後関係の情報量不足からくるエラーはありますが、LLMによって1人で実行可能な開発量が大幅に増加しています。

サーバーとデータベースを作り、センサーからデータを取得しデータベースに投げ、読み出して表示しながらハードウェアを制御する、というソフトウェアが知識ゼロであっても数日で使えるレベルにまで構築できる。
2023年9月末の時点だとたまに答えが返ってこないバグがあり、そんな時は開発が止まりました。(言語に対する習得度としては恥ずかしい限りですが。)

2023年4月にはほとんどコードを書いていなかった自分なので、もしLLMがなければ開発量はずっと少なかったはずです。
逆にLLMの登場によって個人でもセンサーから取得した値を用いて制御を行うようなコーディングが必要な基本的なシステムでも誰でも書けるようになり、ソフトウェアの障壁が低くなり、より普及し、アプリケーションレイヤーにおいてはそのソフトウェアで何をするか、何を表現するか、という実用的な側面がより重要になっていくのでしょうか。または芸術的な側面がより重要になっていくのでしょうか。

とある人は過去にノーコードツールAdaloを利用してiOSアプリを配信しましたが、ノーコードツールを使う限り、開発する機能はサービス提供者による制約を受け、日々それらとのにらめっこでした。求める機能がなければ開発されるまで待つか、回避策を講じるか。デザインの制約も受けます。動作速度も固定です。それでもノーコードでアプリ配信ができることは時間という制約がある中で大変貴重で、Adaloというサービスが好きでした。
一方でLLMで時間的制約にある程度縛られずコードが書ければ自由です。
つくづくLLMが使える世界線にいてよかったと感じます。

最近だと、実機制御コードや、解析ソフトの実装が進み、実験データも取得できているので、想定の範囲内とはいえ、ややその進捗に驚いています。

デジタルネイチャーとは

とある人が採択されている未踏プロジェクトでは、落合陽一先生がPMとしてついてくださっています。
未踏IT人材発掘・育成事業:2023年度採択プロジェクト概要

PMの影響もあり、デジタルネイチャーに関して興味を持ち、PMの著書を2冊読みました。その中でデジタルネイチャーについて、やや理解できたので、ここで共有します。

デジタルネイチャーとは、生物が生み出した量子化という叡智を計算機的テクノロジーによって再構築することで、現存する自然を更新し、実装することだ。そして同時に、<近代的人間存在>を脱構築した上で、計算機と非計算機に不可分な環境を構成し、計数的な自然を構築することで、<近代>を乗り越え、言語と現象、アナログとデジタル、主観と客観、風景と景観の二項対立を円環的に超越するための思想だ。(以下略)

落合陽一. デジタルネイチャー. PLANETS, 2018, 34p.

言葉としては認知していましたが、いざデジタルネイチャーの定義を問われると説明できませんでした。この本と、魔法の世紀という本で、PMの主張する世界観の一端を垣間見たような気がします。
デジタルネイチャーを理解した、というには畏れ多いです。そんなに深い意味はないのかもしれませんが。

ところで、PMはたまに「フゴフゴキノコ」と言っています。これが何を表すのかよく分かりません。そのためタイトルに 「フゴフゴキノコ 化するエスプレッソ」と入れましたが、意味不明です。ごめんなさい。

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この世界には、Deploy or Dieという言葉があるようです。
ああ、大変(魅力的)な世界に迷い込んでしまいました。




重視されているのは成果というより成長らしい
【2023年度未踏IT】竹内統括PMからの応募者に向けたメッセージ
はたして、とある人はどのような成長をするのだろう


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