哲学・日記・メモ「枠と総合性、そして絵画的なるもの」
「枠と総合性、そして絵画的なるもの」
教会において「建築」という「総合性」を保証していたのは壁であった。そして壁は「絵画」においては「枠」となった。
この「枠」を継承しているところが絵画がそもそも総合的であるという事であるだろうし、それは絵画は音楽のように本質的ではないという事でもある。だから真に画家が「絵画的なるもの」を志向するのならば、彼は世界の本質に背を向ける事で、新しい世界を総合的に創造する事に挑み続ける(そして挫折し続ける)。フランケンシュタイン博士のように。絵画とはだから「怪物」なのだ。ヘンリー・ダーカー然りアドルフ・ヴェルフェリ然り。フェルディナン・シュヴァル然り。渡辺金蔵然り。彼らに通底しているのは、音楽ではなく「絵画的である」という事であろう。
2023年7月
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