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自然探索部 誕生の記

1989年4月2日(日)はれ
 ついに旅立つときがきた。
 車二台で網走へ向かう。BGMは小比類巻かほる。I’m hereとか。
 着いて荷物を6畳一間ほどの部屋に入れ、整理、片付け。
 昼、みんなで金市館でめしを食べ、カーテンを買い、取り付ける。
 みんなとさよならして、ついに一人ぽっちになってしまった。
 下宿のおばさんと話する。部屋に戻り、すぐさみしさにかられた。
 これからこの下宿、この部屋をホームにして大きく飛躍できる大学へ通うことになる。始まった。ぼくの新しい人生だ。

4月4日(火)くもり後雪
 朝、中古の自転車をきれいにして、網走の街に自転車屋をさがしにいった。
 けっこう走ったのに見つからず、インスタントラーメンを食べて、潮見方面へいったらお店があった。やっとカゴをつけてもらう。
 ここは30年くらい前までは森で、クマがいたらしい。

4月5日(水)晴れ
 朝から天都山へ向かう。坂がきつい。ながめは最高。流氷館があるところ。
 今日もインスタントラーメンを作りわかめを入れて食べた。節約なのだ。
 銭湯に行ったのに、休みだった。風呂に入りたい。

4月6日(木)くもり
 北見へ行こうと駅へゆき、病院の哲也のところにいって、いろいろと雑談。
 17:04発の列車で帰ってきて、銭湯へ行ってさっぱりした。気持ちいい。

4月7日(金)はれ
 東藻琴芝桜公園まで自転車で走る。花さいてない。
 斜里岳、藻琴山が白い衣装、浮かびあがってる。
 温泉に入り、帰る。下宿の社会人の人と夜おしゃべりする。いい人だなあ。

4月10日(日)はれ後ガス
 入学式、うーん、なかなか、スーツがイヤだ。うまくネクタイも結べない。
 鳥好きなH君(福島県)たちと仲良くなり、街の喫茶店へ。
 同じ下宿のY君(千葉県)も。深夜1時頃まで、下宿で飲み語る。

4月11日(月)くもりガス
 9時からオリエンテーション。昼から身体測定。
 K君(山梨県)などとも知り合い、ぼくの下宿部屋でH君、Y君と語り合う。

4月12日(月)はれ
 学科別オリエンテーション。
 昼から蝶が好きなA君(愛媛県)、写真が得意なT君(小樽市)、H君、K君と学内を歩く。
 久しぶりに晴れた。斜里岳、知床連山、感動するくらい。銭湯へ。

4月13日(月)はれ
 朝から夕方まで4つの授業。つらいなあ。でも誰よりもFight!
 放課後、水圏資源学研究室へ行き、話をしていただく。
 充実したキャンパスライフを送るぞ!

大学の先生や教職員さんたちも、学生みんな、バスや学食など、地域の皆さんも初めてだらけのことばかりの頃であった…
(コンビニも携帯もない時代だった)

こうして、トンボに詳しいH君(東京)や、JALの息子N君(東京)、水生昆虫好きなMさん(静岡)なども加わり、サークルづくりに必要な10名を数えてゆき、自然愛好会という名で基礎を、まず作った。

5月の申請時に、自然探索部とする。

ぼくはその後、離脱してしまい、文系の先生や仲間たちと環境問題サークルを主宰する。

大学とは教養や論法を身につけるだけではなく、生涯の師や親友を得る場であると思う。
本当に勉強しなければならないのは、社会人になってからである。つまり、生涯である。

一期生で何もなかったからこそ、友と語り続け、支え合って、何事も新たに創れたのだ。

ぼくら、一期生の中には、そーいうDNAがあり、変わり者が多い。(二期生からは優秀)

3.3.3通りから見る下宿とオホーツク海
夜な夜な夢を語り合った
まるで化学反応を起こしたようだった
第一回収穫祭で制作・配布した大観山


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