【一言書評】中村文則『銃』

中村文則
『銃』

「銃」という名の〈指の収縮で人を殺せる凶器〉を、モラトリアム真っただ中で人生に執着がないがゆえに絶望らしい絶望もしそうにないところに希望を見出せないような大学生に持たせてみたらその自意識はどうなるのか。という思考実験に端を発したような小説は終始、不安定で不穏当。カタカナにするとフアンテイでフオントウ。引き金は指ではなく心で引くということ。


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