【一言書評】円城塔『道化師の蝶』(芥川賞受賞作品)

円城塔
『道化師の蝶』

のらりくらりと語りながらレトリックで思索的な深みを作り、主語をあやふや(=うやむや)にする細工を施した文体・文法で論点を"ずらし"たり"ばかし"たり"ぼかし"たりして難解に仕立てた作品ではあれ、ただ独りよがりに"独走"するのではなく物語展開の中で読者に歩み寄ったり離れたり、掴めそうで掴みきれない趣旨はまさにひらひらと舞う蝶のよう。物語を追いかけるというのはつまり作者を追いかけるということ。それは駆け引きだし、そうとなれば技巧でもあって、ひっくるめて面白みということに。

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かとう【サ行】中
「サ」ポートに「シ」ェアと「ス」キ…『「セ」ンスが爆発してますね』という「ソ」ウルフルなリアクションまでお褒めの"サシスセソ"ください!