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13)手本通りに書ける子が勉強が苦手だなんてちょっと考えられない

◆行動することで楽しさのスイッチが入る 2


何でも逃げてしまうリク君。

リク君の心を育てるためには、漢字テストを合格するまで受けさせた方が良い。それは、自分自身の経験からの直観でした。

困ったなーと思いながら、リク君を教卓まで呼びました。

「リク君。漢字再テストを全然やってないよね。君は漢字が好きだって言っていたし、漢字練習帳だってメチャクチャ丁寧に書いてくる。こんなに上手に丁寧に書いてくる子なんて、いないよ。」

こんなことを言いながら漢字練習帳をパラパラとめくっていると教卓に集まっていた子達が「すご~! リク君、上手いね~!」と口々に言い始めました。

「そうだよね、めっちゃ上手いよね。手本通りに書けるって、そういう子が勉強が苦手だなんてちょっと考えられないんだよね。だからさ、リク君、漢字再テストを全然やってないから、今からやっていこうか?

漢字小テストは10問だけど、3問だけ覚えておいでよ。ここに答えを置いておくから、まず3つだけ覚えてテストをする。できたら私のところに持ってきて、丸つけをする。

不合格なら、覚えるところは間違えた所だけでほんの少しだから、すぐ覚えられるよね。これならすぐ合格しそうじゃない?」

こんな話をすると、リク君はコクリと肯きました。

「じゃぁ、今から答えをしっかり見てね。覚えられたら、テストを渡すからね」

このように話すと、リク君もしっかり答えを見て、覚えられたらテストを机に持って行き、答えを書いてきました。すると、とても丁寧に書かれていて、止めもハネも払いも、しっかり書いてあります。でも、一画だけ抜けている場所がありました。

「リク君、残念、1本だけ横棒が足りなかったね。でも、1本書くだけだからさ、簡単だよね。もう一枚、テストをあげるからもう一度チャレンジしてみようか」と彼に言うと、さっそく机まで戻って丁寧に書いてきました。

今度は全部丸です。周りにいた子達も一緒に喜んでくれました。リク君も満更でもない顔をしています。

「ほらほら、めちゃくちゃ簡単でしょう? 漢字テストなんて、全然大した事なんてないんだよ。1番から3番まで合格したから、次は4番から6番の3つでいいよ。またやりたくなったら言ってね。」

あまり追い詰めてはいけないと思ったので、その時は、3問合格で遊びに行って良いと話しました。すると、喜んでさっそく外に遊びに行ってしまいました。

ということで、この続きは、また明日。


この文章は、お気楽先生のほぼ毎日私感にて過去にアップロードしたものです。noteでは、マガジンにまとめていこうと思っています。

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