No.1421 よねあらた
一昨日、実家の兄から新米(玄米)を頂きました。
「ながらへよとて今年米今年酒」(鷹羽狩行 1998年11月)
去年、故郷の新米が好評だったので、今年も知友にお裾分けしようと精米しました。ところが、米の粒がそろっていません。中には白濁したものや、米の形が崩れたり、変色したりしたものも混ざっています。皆さん方の今年のお米の出来は、いかがでしたか?
今年の米の作柄は「平年並み」か「やや良」とありますが、精米してみるまで米そのものの出来具合は分かりにくいと思います。その結果、今年の夏の暑さの影響の大きさを改めて思い知りましたが、米自身も辛い環境だったに違いありません。よくぞここまで耐えてくれたと感謝ひとしおです。
早速、炊きました。幸い、味も匂いも、遜色はありませんでした。
「里よりの新米炊けばよく匂ふ」(下島千代子)
「今年米たしかな杓文字触りかな」(能村登四郎)
俳人の句にも有り難さや、えもいわれぬ思いが込められています。
販売される新米は、選別され、きちんと精米され、少しの屑物も許さない代物でしょうが、我が田舎の新米(玄米)は、稲刈りし、乾燥し、脱穀しただけの玄米です。そして、今年のように難のある米粒は初めてみました。このままでは差し上げられません。
そこで、精米したコメを卓上に広げて、目を皿のようにして「くで」(大分弁で屑や欠片のこと。「くぜ」とも)や色変わりしたものなどを取り除いていきました。3時間ほどかけて、漸くお届けできるレベルになり、数人分を用意しました。1年ぶりのその香りと味を喜んでもらえると思うと、かえって楽しい時間となりました。
「新米のずしりと重き塩むすび」(門脇明子)
※画像は、クリエイター・たかさばさんのおにぎりの1葉です。タイトルに
「おにぎりころりん、 ばちゃばちゃぎゅちゅびちゅぬちゅにちゅぐちゅびっちびちびちばっちゃばっちゃ……!」
とありました。声に出して読んで笑っちゃいました。お礼申し上げます。