本「うつ吸いイラスト帳」感想
👇️ここで中身チラ見できると思うのでよければ。
ずーっと気になって探してた「うつ吸い」を、ようやく手に入れたので感想書きます。
8-9P:本の特徴
「まだ本を読める気はしないけど、とりあえず1ページだけ目を通してみようかな」と思ってる人に見てほしいのが、このページ。
見開きで、どの部分がどういった内容になってるかを、簡潔にわかりやすく教えてくれてる。
しかも説明ページなのに圧倒的に文字量が少ない!
これは全ページ通して言えることで、「イラスト帳」という名前の通り、文字がとにかく少ない。
鬱や適応障害だと文字が読めなくなることが多い。
文字を見ても目がただその上を滑るだけで頭に入ってこない。そのくせに「理解できない」ってことはわかる。脳みその情報処理能力が弱ってるから、しまいには文字量が多いだけで拒否反応がでるようになる。
これは小説が好きでも、マンガが好きでも、読めなくなる。特に読書が好きな人間にはこれがけっこうしんどい。
明確じゃないけどこの本の1Pあたりの文字数は、文庫本小説になおしたとしても3行以下ぐらいだと思う。
絶妙に「読める」文字量。これがすごくありがたい。
何が嬉しいって、疲れて本を読めないなって時の使い方まで書かれていて「読めなくても良いのか」と気持ちが楽になる。さすが経験者が書いた本。
このページを読んだら、「この本、読んでみても良いかな」と思える気がするのでおすすめです。
あとは手にとれる環境ならパラパラ~っと全体を流し見してみると、圧倒的にページの大部分を絵が占めているので「これなら読めるかも?」と思えると思うのでやってみてほしい。
本文は大きくわけて4章。
1章:コミュ障の1日
2章:うつの1日
3章:実際の症状+それに対する対策例
4章:症状と付き合いながら送る日常で、心がけていることや実際にやってること、考え方など
固く書いたけど、本は全然固くないので大丈夫です笑
1章は鬱とわかる前の会社での生きづらさ、2章は鬱症状が出てからの出来事なので、メンタルが落ちやすい人とか、今現在つらいです、という人はすっ飛ばして3章あたりから読む方が良いかも。
共感・共有して安心したい人は自己判断で。
自分は違うけど、まわりにそういう症状がある人がいて理解できない・理解したい・知りたい、みたいな人は逆に1章・2章を読めばサラッと認識はできるかもしれないのでおすすめしたい。
3章からは「こういう症状がでた」時に「こういう事をして、うつを吸いとろう」という、日常的に起こる症状とその対策。
もちろん最初はただひたすらに休んで心身の回復を目指すのが大事。ただそれを長らくやったからといってある日また元通り、とならないのが現実。十分に休んで動ける・考えられるようになったら、次は日常を少しずつ社会復帰できるように進めていく。症状が酷くてとにかく休む期でも「生きてるだけで十分えらい」を実感できるよう、休むことに罪悪感を感じないようなことが書かれてるので、同じような状況の方に優しく寄り添ってくれると思う。
4章は日常を送るために実戦してること、考え方を紹介してるので、回復してこれからを進めていきたい、実際にお休み期間を終了して社会復帰中という方は参考になると思います。
回復してない人は前向きな捉え方とか受け付けないタイミングもあると思うので、まだ気になるなという人はもっといーっぱいお休みして自分を大事にしてあげてください。
当たり前だけど、鬱や適応障害になる前と後で、心身ともに全く同じように回復しました、ということは少ないと思う。キレイサッパリ治りました、ということも少ないはず。体力が落ちてしまったり、治ったと感じてもストレス耐性が下がっていて(ある意味適正?)になってしまったために、何かのきっかけや少しの塵つもでまた症状がでてしまったり。
それでも生きている作者さんの日常でのコツを教えてくれる章です。
監修者のコメントページと感想まとめ
鹿目先生が「相談してほしい」「一緒に生きたい」と書いてくれていて、私はそれが嬉しい。この1ページで先生の著書も読んでみたいなと思った。
自分が少しでも「自分ちょっと変かも、もしかしてこれってメンタルやばい…?」とか思ったなら、どんなに親しい人でも相手の意見や話しを鵜呑みにせず、専門医にかかってほしい。
(だいたいの人が「そのぐらい何ともない」「私なんて」みたいな不幸自慢や責任感の無いことを無自覚に言うけど、診断が遅れて辛い時期を無駄に長くすごく事になったら、そういう発言をしてきた相手のことも恨むことになる可能性があるからね。それが大切な家族や友達だとしても。)
海外ドラマとか見てると、フランクに「カウンセリング受けなさい」とか面談するシーンが出てくるんですけど、私はそれが本当に羨ましくて。
真面目で頑張りやな日本人だからこそ、もっと気軽に病院やカウンセリングが日常的なものになってくれたら嬉しいなと思います。
全体通して、本というより絵本に近く、処理能力の鈍くなった脳みそでも読める、どこまでも優しい本なので、辛い気持ちを抱えて過ごす人に、ぜひ1度は見てみてほしいなと思いました。
▪️作家SNS
▶️X(旧Twitter)
https://x.com/naonyan_naonyan?t=tn4zvh4JdanM3ySL6VRl_Q&s=09
▶️Instagram
https://www.instagram.com/naonyan.naonyan?igsh=MThua290cnNjZWZmbQ==
▪️監修者:鹿目将至
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?