Photo by rira_ikeda 旬杯リレー小説~PJさん&ちピロの起承転結~ 18 ちピロ 2023年7月2日 22:25 過ぎた日々思い出す夏キミの微笑み南風キミをいずこへ連れて行く光る海入道雲の涙雨一緒だと誓った夏は思い出か?起ストーリー【A】/PJ 4連句(約50文字)今年もまた来た入道雲の空。2人でよく立ち寄った道の駅。見覚えのある車と忘れるはずも無い君の姿。相変わらずソフトクリームが良く似合う。君が独りでテラスに座って居る。僕も君の微笑み見たさに隣に座る事は許されるかな。 A:承 / ちピロあの日、ソフトクリームを食べる君に声をかけたとき、君は驚きながらも、あの頃と同じ笑顔で「えー久しぶり!」と言ってくれた。それで僕の緊張は一気に溶けた。 君の隣に座ると、僕達はこれまでの時間を埋めるようにお互いのことを話し続けた。 僕の助手席で、ソフトクリームを食べる君。 あの時には、まさかまた付き合えることになるとは思ってもいなかった。 実家に日帰りで行ったあの日、何気なく立ち寄ったあの道の駅で、君を見つけたのは本当に偶然だった。いや、それが運命ってやつなのかも知れない。 遠距離恋愛の僕達は、毎日のように電話し、LINEを送りあった。 君は、休みのタイミングが合ったら、僕の住む街に遊びに来たい、と言った。 僕が「そっちに行くよ」と言ったけど、「私、金沢行ったことないから、行ってみたいの」と僕を押し切った。 僕達は、混む前の8月の最初の土日にスケジュールを組むことにした。 どこに行きたいか聞くと、君は「海が見たい」と言った。 僕はとっておきの場所に君を連れて行こうと思った。 君を助手席に乗せ、8月の暑い日差しの中、海沿いの自動車専用道路を走る。 君は、はしゃぎながら窓を開け「海だー」と叫んだ。 長い髪が風で絡まりそうだった。 「もう少し先だよ。期待していて」 僕がそう言うと、「うん、楽しみ!」と窓を閉め、ショーケースの子犬のように、体を揺らしながら外を見ていた。 僕達の地元には海がなかった。だから僕も、海を見ると今でもワクワクする。 道もすいていて、ドライブは快調だった。僕達は目的地のすぐ近くの道の駅で、休憩を取ることにした。 君は「ソフトクリームが食べたい」と言った。 「さっきも食べたよね」と言う僕に、「いいの、さっきのとは味が違うから」と、君は二人分注文した。 二人で並んで食べるソフトクリーム。青く晴れた空には大きな入道雲が浮かんでいた。過ぎた日々の悲しみは、きっと涙雨が洗い流してくれたんだろう。 「さて行くか!」と言う僕に、君は「ねえ、どんなところなの?」と聞いた。 「すぐにわかるよ」そう言って僕はシートベルトを締める。 さあ、君をとっておきの海に連れて行くよ!A:転 / PJ 僕達は千里浜を駆け抜けた。君は助手席で無言のまま海を見つめ続けていた。 あっという間の時間。 僕は次の行先の気多大社へ彼女に行きたい旨を伝えた。「利家とまつが愛した神社なんだょ」そう言うと彼女の瞳から涙が溢れた。「ずっと一緒に居よう。もう離したくない。」僕は涙目の彼女をまっすぐ見つめ抱きしめた。 一年後のその日、彼女の白無垢姿は眩く、まつ姫より美しいに決まっているとさえ思った。 あの日の入道雲、あの日のソフトクリームに浜辺。僕達の記憶の中でそれ等は輝く。 僕達は永遠に共に歩み続けるのだ。A:結/ちピロ いかがでしょう。幸せな結末にゴールインしてみました。夏の想い出、永遠に共に過ごす2人を、そして皆様と過ごしたこの夏をアタイは忘れたくありません。そんな気持ちで創作致しました。気に入って頂けましたら幸いです。末筆ながらPJさんへ感謝を込めて。有難う御座いました。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 #私の作品紹介 107,361件 #つくってみた 21,805件 #私の作品紹介 #つくってみた #旬杯 #千里浜 #気多大社 #幸せな結末 #旬杯ストーリー結 #旬杯リレー小説 #ずっと一緒だよ #pjさんとアタイの起承転結 18 宜しければサポートお願い致します。 頂きましたサポート費は今後の作品製作費として大切にさせて頂きます。 サポート