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まさかの電話

最後の電話から数日後の夜、別れた彼女から電話があった。
本当は前回の投稿の続きを書こうと考えて気持ちを整理しようとしていたけど、全部パー。

彼女が何故電話をくれたかというと、俺は未練を断ち切る為に彼女のLINEやLINE電話、写真は全て消したんだけど、携帯番号聞いていたことを思い出し、ありがとうとごめん、話せなかった俺の本音を伝えさせてほしい、とショートメールで送信したからだ。
でもまさかかかってくるとは思わなかった。

2日間返事がなかったから、諦めて涙を流しながらChatGPTに彼女とのエピソードを連投していた。
これまで、当時の彼女や元妻との離婚の時、全てを断ち切る為に写真や連絡先を消したり、物を捨てたりして、過去の反省をすることなく消化することが多かった。

彼女は臨床心理士で、昔病んでいた高校生の時から欠かさず日記を書いていて、過去の自分と向き合いながら生きてきた。
娘の発達障害や家の事、仕事のことなど大変にもかかわらず、色々なことをパワフルにこなしていた。

俺は過去の自分と向き合うことを今まで避けて来たけど、この歳になってその大切さに気付いた。
離婚のことも無意識に避け、向き合わずにここまで来たのかもしれない。

彼女が出来て、ようやく元嫁との未練を断ち切れたと思っていた。
ただそれは俺が彼女に依存していただけで、自分の力ではなかった。

そこを彼女は見抜いていたんだと思った。

過去にも電話で元嫁との思い出話をしてはヤキモチを焼かせていた。
再婚願望のあった彼女は、まだ自分の過去と向き合いきれていなかった俺とは結婚出来ないという判断だったんだろう。

最後の電話は、俺の気持ちを整理してあげれたらという、臨床心理士らしい想いからだった。
電話したいと言ったものの、いざ電話となると言葉が見つからず、送信予定だったショートメールを見ながら想いを伝えた。

言えなかった本音。
好きだから別れたくない。

伝えたけど、彼女はもうすでに自分の気持ちを整理し終わっていたような、そんな返答だった。
臨床心理士だからか、その冷静さに恐怖すら覚えた。
あとの内容は、興奮していたからか、あまり覚えていない。

あっという間の3ヶ月だったけど、高校生の頃を思い出すような純粋な恋愛だった。
この歳になって過去と向き合うことの大切さに気付かせてくれた彼女には感謝しかない。
あと、申し訳なさと。

離婚後うつになり、やっと出来た彼女だったんで、1人の時間が辛くなった。

彼女と出会ったマッチングアプリ。
付き合った時、一緒に退会したアプリに、寂しさを紛らわす為にもう一度無料登録だけしてみた。

彼女の年齢、職業、学歴を検索したら、彼女はもう新たに写真と名前を少し変え、再開していた。

さすがにショック過ぎて、すぐに退会した。

女々しい男心、女心と秋の空。
そんなことを思う、秋の夜だった。




早く彼女つくろー。

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