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先日のインプット不足を受け、ようやく本を読み始めました。


忙しいながらもわずかな時間で読める本から・・・ということで、選んだのはこれです。


お茶の水大学の名誉教授『外山滋比古』先生の著書をまとめた一冊。
「考えかた」の超入門書と題されている通り、1ページ1テーマで考え方や発想力を身につけるためのヒント集。東大生のバイブルと呼ばれた『思考の整理学』や『ものの見方・考え方』など、数々の名著をギュッとまとまっています。


第一章「発想力を鍛えるヒント」の最初のテーマは、この2つ。

化合物を求める

発想のもとは、個性である。
発想が扱うものは、周知、陳腐なものであってさしつかえない。そういうありふれた素材と素材とが思いもかけない結合、化合をおこして新しい思考を生み出す。発想の妙はそこにありというわけである。
発想のおもしろさは、化合物のおもしろさである。元素をつくりだすことではない。

『思考の整理学』

未知のものを見つけ出す

むやみと情報、知識を集めて喜ぶのは幼稚である。どんな小さなことでもいい。自分の生活の中にひそんでいる未知のものを見つけ出して、それをもとに自分の“知見”を創出する―――これが“知的”である。

『大人の思想』


この一言がストンと腹落ちします。

発想は、その多くが世の中にありふれたもの同士を組み合わせることで生まれます。何度も使われてきたごく当たり前のもの同士であっても、その組み合わせが新しいものである限り、オリジナリティある発想となります。

例えば音楽。ドレミファソラシの音符がたった7つしかありません。でも、組み合わせでフレーズを生み出したり、ピッチや休符を活用してテンポを生み出したり、音を重ね合わせて和音をつくり出したり、複数の楽器を組み合わせて音をつくり出したり・・・これが何百年も繰り返されてきたにも関わらず、いまだ毎日新しい音楽が生まれています。

例えば文章。あいうえおの50音を組み合わせ、言葉(熟語)として意味づけをし、さらに言葉を組み合わせて文章に仕立てていきます。ほんのわずかな違いに書き手の個性が表れます。自分の伝えたいことをどの言葉でどのように組み合わせ、どのような展開で紡いでいくか。それは発想そのものです。


ありふれた知識や情報を掛け合わせて「化合物」にすることで、自分の頭の中の考えを表出するのが「知見」である。
わたしはこの見開き2ページの内容からそんなことを感じました。

発想が生み出せずに苦しむのは「元素を生み出す」ことに意識が向いている証拠です。そうではなく、いまあるリソースを「組み合わせ」て楽しむことこそ、ワクワクするような発想のおもしろさだよ!とおっしゃっているかのようです。


わたしもいま、新しいものを生み出すために苦戦中。
その渦中だからこそ、この言葉が突き刺さったのかもしれません。

他にもたくさんのヒントが詰まったこの本。
ちょっとしたすきま時間に読んでみようと思います♪



明日も佳き日でありますように

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