"クレディビィリティ" (信用)の危機 -「お金」はどこへ向かうのか?
大統領返り咲きを狙う "T" 御仁が吠えているが、シェールガスをドンドン掘れ、という事らしい。「インフレ」で生活が苦しいアメリカ人に訴えている訳だが、こういう所は非常に上手い。まさにポピュリズムの権化。鬱憤が溜まりすぎて「脱炭素」などクソ食らえ!という感情も判らなくはない
一方OPECなど産油国も必死。原油価格が@50~60ドルなんてことになれば今までのように "贅沢" できなくなるし「戦争」も続けられない。WTI(NY原油先物)が@70ドルを保持するような動きになっているので、この辺が "贅沢" の採算ラインなのだろう。大富豪の王族までこの有様では、皆他人の事を慮る余裕などない
日本でも不満は頂点。キックバックによる「裏金疑惑」に関して「4,000万円以下は不起訴」のような報道がなされ「修正申告なんてしない」「事務処理のミスと言い訳すればいい」とクレームのオンパレード。これはもう "クレディビィリティ" (信用)の危機と言っていい。これから「確定申告」の時期に突入するが、税務署も国税庁も対応に苦慮する様が思い浮かぶ
"クレディビィリティ" は「お金」=法定通貨に対しても失われつつある
「インフレ」が根付いている欧米では「お金」は「預けるもの」ではなくむしろ「借りるもの」。特にアメリカでは銀行に「預金」するのは愚の骨頂で「借金」してでも不動産や株に「投資」する。その方が ”得” だからだ。ビットコイン等の暗号資産もこの "副産物" と言える。これに対し「国」は「利上げ」して「お金」の価値を維持しようとする
一方「高度成長期」から「失われた30年」まで50年もの間「円高」が体の芯に染みついた日本人は「預金」に固執する。いわゆる ”ホームカントリーバイアス” 。理由はどうあれ「お金」の "クレディビィリティ" は保たれてきた。これが今「円安」でひっくり返ろうとしている
年初から「新NISA」だ「オルカン」だと日本人自身による「お金」を手放す行為は "クレディビィリティ" が失われつつあることを如実に示している。いくら「預金」を溜め込んでも生活は楽にはならないからだ
背景には国による財政状況の逼迫がある
1990年代の「バブル崩壊」後も道路、新幹線、飛行場、それにオリンピックに万博と「高度成長期」方式の財政出動を繰り返し「借金」は1,200兆円に膨張。先進国入りした日本には既に不要になった "箱物" への出費は膨大な無駄使いとなり、経済構造の変換が遅れた
「少子高齢化」は「シルバーデモクラシー」をもたらし、大票田の「高齢者」優遇政策への傾斜は増税、社会保険料の負担となって壮年・若年層にのし掛かる。実質「六公四民」でお給料の6割も国に持っていかれては、いくら我慢強い日本人でももう限界。そこに政治家による「裏金疑惑」が持ち上がれば「国」を「信用」しろという方が無理
だから今の「円安」は根が深い。特に海外への「投資」増加はまさに 「シルバーデモクラシー」に "静かな反乱" 。 ー 「お金」の ”脱・日本” 。|損切丸 (note.com) 「お金」=「円」の価値を上げよ、と「利上げ」を催促する事になる。これで個人や企業が「お金は預けるものではなくて借りるもの」にマインドシフトしたら「円金利」には激震が起きる。その動きはJGB(日本国債)に現れるだろう
年初から「新NISA」等による日本株買いは1兆円を超えているが、「バブル」後高値を超えた事でそれまで売れずに塩漬けだった保有株を含んだ数千億円もの "ヤレヤレ売り" も出ており、むしろ海外勢の+1.4兆円もの買い越しが上昇の原動力( ↓ 対内証券投資)。もう一つ見逃せないのが日本人による海外株+1兆円買越 =「円売り」だ( ↓ 対外証券投資)
「国」に対する "クレディビィリティ" の喪失は今後も「お金」→「投資」(株、不動産等)の形で持続するだろう。「インフレ」が進んで「借金」が増えれば銀行の「金余り」を減らしJGBの売却を促す。これに「YCC廃止」等日銀が「国債買取」を漸減させれば円金利の上昇は不可避。まあ放っておいても「インフレ」で「お金」は減っていくわけで、あとは進展スピードの問題。対策を取った人とそうでない人では数年後大きな差が出ることになる
相場や "リスク" が好きではない(あるいは納得がいかない)方は ”動かない” ≓「預金」したままも選択肢の1つ。だが1つ頭に入れて置いて欲しいのは 我々は一体何に「投資」しているのか? - 「新NISA」開始に当って|損切丸 (note.com)
”タンス預金” だって「強盗リスク」があったりするし、何もFXや株が特別 "危ない" 訳ではない。生きていく以上必ず "リスク" はある。怖がるだけではなく "BEST" じゃなくて "BETTER" でいい|損切丸 (note.com)
外資で良く怒られたのは実際に「損」した事より「上がる」と予想していながら買わなかった事=「機会の損失」。かつてこの日本にも ”やってみなはれ” 精神が存在したが、ぜひもう一度思い起こしたいものだ