遂に始まった ”切り捨て” の時代と ”返ってきた円高” 。
遂に始まった ”切り捨て” の時代と ”返ってきた円安” 。|損切丸|note の姉妹編(今度は ”円高” )。
「ゼロゼロ融資」など「コロナ特別融資」打ち切りに伴って延命されていた ”ゾンビ企業” の倒産が相次いでいる。
「日銀バランスシート」 ↓ で確認するだけでも、2022年3月比で「特別融資」は▼70兆円近く減少。日銀総裁の「金融緩和!」連呼とは裏腹に、実は強烈な「QT」(量的引締)が進行していた。
この "FACT" (事実)をどう捉えるべきか。これまでも ”ゾンビ企業” の倒産が増える局面( ↑ 標題添付)はあったが、今回は様相が違っている。
2008年のリーマンショック以降喘いできた日本経済。不運にも2011年の東北大震災が重なり、世界でも例を見ない深刻な「デフレ」に見舞われた。そこへタイミング良く登場したのが ”XXXノミクス” であり ”XXバズーカ” 。表向きは「+2%のインフレ目標」だが、真の目的は大票田である多くの中小企業= ”ゾンビ企業" の "延命" 。極めて政治的な産物だ。
それでも1,000兆円もの「預金」リソースを使えた内はまだいい。それが 「公的マネーが大株主 8割」 ー 日銀・GPIFによる「株買い占め」。なぜ今更 ”表沙汰” にするのか?|損切丸|note でETFが買えなくなり、JGB(日本国債)も日銀の保有比率が50%を超えた。「お金」もほぼ使い果たしてしまい、 "延命装置" はその能力の限界に達している。
そして2022年に急激な「円安」。日銀・財務省は「インフレ」の "賭け" に勝ったとも言えるが、相場は待ってくれない。- マーケットを信用しない日銀。|損切丸|note。手加減など一切無く、「弱いところを攻めろ!」 ー 「資金繰り」が決め手の「信用格差」。|損切丸|note が鉄則だ。
「お金」の尽きた日本など怖れるに足らず。かつて「JGB売り」で挑んでは敗れ続け、何十回と苦渋を舐めてきた海外勢だが今回は大分形勢が違う。「国債無制限買取オペ」などまさに「無理は通っても無理」。
12月に「YCC+0.25%」を決定したのはダムの決壊が始まった証。「投機筋」に追い込まれたという印象は極力避けたいのだろうが、先延ばしにするだけ傷は大きくなる。今日(1/17)も政策決定会合が開かれているが、一体どのような話し合いが行われているやら。
いずれにしろ、この国の舵は「切り捨て」に大きく切られた。相次ぐ「増税」に加え「低金利」という "延命装置" を止めた事は大きな転換点だ。
「損切丸」では 日本の「インフレ」の正体。|損切丸|note を「人手不足」から来る「真性インフレ」と度々主張してきたが、それを象徴するような出来事が運送業界で起きている ↓
運送業と言えば、必要な設備投資はトラックぐらいでこれはもうほとんど「人」が命の仕事。今回の倒産局面で最も被害を被っている事が*「人手不足」の深刻さを物語る。「2024年問題」によりドライバーの離職や売上減、荷主企業は「運賃値上げ」の可能性などが懸念されている。運送業者の数が減れば「値上げ」に拍車がかかることになる。
繰り返しになるが、今の「インフレ」の根っこは「原材料費」でも「円安」でもない。この点、政府も経営者もメディアもダンマリを決め込んでいるのは「コストプッシュ」にしておいた方が都合が良いから。下手に ”真実” を話せば低賃金の労働者が黙っていまい。20円以上「円高」になったから「値下げ」するはず、と思い込んでいると肩透かしを喰う。
この方が "ヒット率" が上がるのかもしれないが、こういう書き方はもう止めて欲しい。まるで地下室で蠢くショッカーを仮面ライダーがやっつける、というような書き振りだが、トレーダーは策略を巡らす悪人ではないし、日銀は正義のヒーローでもない。「マーケットは国民の共有財産」の欧米ではこういう書き方は絶対にしない。
株でもFXでもリスクを取ってみれば判るが、儲けるのはとても難しい。本当に勝とうと思えば、指標とか統計とか業績とかデータを精緻に読み込んでポジションを取るが、それでも敗れる時はある。ある意味非常に純粋だ。
筆者から見ていると、そういう努力を台無しにしてきたのは日本ではむしろ政府やに日銀であり「お前も悪よの~」の悪代官や「大黒屋」の雰囲気。
この30年、欧米やアジア諸国と日本で「賃上げ格差」がこれだけ出てしまったのはこの点に尽きる。マーケットを敵視してもメリットは何もない。「何でも他人のせい」にする日本人の悪い癖だ。
厳しい言い方になるが、今回の「切り捨て」も覚悟を決めて臨めば悪くない。日経平均などにはむしろプラスだろう。何度も裏切られてきた「損切丸」だけに「今度こそ」の思いも強い。逆説的だが、逃げ場が無くなって追い詰められている分、今回は期待が持てる。