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米CPI(年率)+8.5%...。だが「2ヶ月連続中古車価格下落」は朗報?

 3月 米CPI(年率)+8.5% 予想+8.4% 前月+7.9%

 「何でナスダックが買われてドル円が売られんの!?」

 昨日(4/12)米CPI発表後のマーケットの動きに戸惑った方も多かったかもしれない。だが、これは金利市場にはよくあるパターン金利上昇要因が出ても金利が下がる時は、一旦「お腹一杯」になった可能性が高い

 「いくらゴリラがバナナが好きでも、満腹になれば食べない」

 キーワードは「中古車価格」。実は一貫して物価上昇をリードしてきたのがこの「中古車価格」の上昇で、特にアメリカではレンタカー会社の「車不足」が状況に拍車をかけた。2021年初に顕在化した “ウッドショック”  ー 「インフレ」の縮図。|損切丸|note に似た現象だが、ここの ”ボトルネック” =需要>供給の状態が解消に向かう意味は大きい

 「日本の輸出中古車が "入金待ち” で港湾で足止め」

 「中古車価格」下落の理由は単純明快侵略戦争を仕掛けた彼の専制国家からの需要が途絶えているから。オークションで落としたものの代金支払が出来ずにいる。ここで余った車が他国に回ったというわけだ。2022年のGDPが▼10%以下になる見通しというから、虚勢を張って実態を必死に隠してはいるが、「ルーブル高に戻しているから金融制裁は効いてない」という割には ”リアル” は相当悪いと見ていい。

 ここで米国債市場が非常に興味深い反応を見せた。ここまでかなり突っ込んだ金利上昇相場を展開してきたが、銀行主導の2~5年ゾーンの売りが止み、特に5年債がCPI発表前から@2.84%→@2.65%に▼0.19%も低下

 特に顕著だったのが「逆イールド」の消滅2~30年の「金利逆転現象」が一気に解消し、きれいな「順イールド」に戻した。「ベア・フラット」=短期売り+長期買いのリスクポジションを取っていて逃げ遅れたトレーダーは地獄。 "市場の正常化" は着実に進んでおり、 "偽りのYCC(イールドカーブ・コントロール)" で「固定レート」相場のままのJGB(日本国債)から見ると羨ましい限りである(苦笑)。

 「利上げ」見通しについては5月FOMCで+0.5%が濃厚のまま。だが、その後の政策金利到達点は@4%以下に見通しが変わり、結果的に "FED Dot Plot"FRB理事による見通し分布)にかなり近くなった。

 これで米国債の "偽りの「逆イールド」" 騒ぎは一旦沈静化するだろう。皮肉にも想定外の金利低下が米株価の下支えとなり、ウォール街はほっと一息。まあ、彼らは株さえ上がれば何でもいいのであるFXでドルが売られたのも同じ理由で、いかにマーケットが金利を気にしているのかがわかる

 とは言え、「イールドカーブ」の「スティープニング」(長期の金利が短期を上回る状況)は ”逆の目” を生む可能性もある。今回は金利低下を伴う「ブル・スティープ」だったが、インフレ見通しが悪化した場合、長期金利の急上昇を伴う「ベア・スティープ」も起こりうる。実は過去の金融危機が殆どこのパターンで、最悪「ドル安・株安・米国債安」「スティープニング」にはかなり注意が必要だ。

 2022年に入って*米国債を中心に金利市場の暴れっぷりが凄い。特にこの1ヶ月、ほぼ一直線の「売り」は久々に見る大相場「固定・低金利」のJGBに10年以上付き合わされた筆者も正直スカッとした(苦笑)。

 しかしこの過程を見て今更ながら思うのが、特に5年超の金利は実需の売買よりも「イールドカーブ」やオプション等 "有象無象" の取引に振り回される代物、ということ。いくらご託を並べようと、5年後の未来など結局は「絵空事」だ。気をつけなければいけないのが、エコノミスト、ストラテジストの類いの "したり顔" の「後講釈」「イールドカーブ」取引で起きた「逆イールド」を見て「2年後に米景気はリセッションに陥る」なんて ”預言” は眉唾物「進撃の巨人」でもあるまいし、あんたは超能力者か!

 そして忘れてはいけないのが「お金」の ”量” の変化「利上げ」と同時にFRBは5月にQT(量的引締)を開始する。マーケットの "本丸" はこっち見た目の「名目金利」はいわゆる ”バーチャル” でゲームのようにいくらでも動くが、「資金繰り」に直結する ”量” の変化は究極の ”リアル” だ。

 目の前で「お金」が消えていく ー この切迫感「資金繰り」に直面した者にしかわかり得ない。それ程「お金」がない "恐怖" は何物にも代え難い金利低下で一旦買われたNYダウやナスダックが終盤売り戻されたのが何よりの証拠で、過去に「利上げ」→株価下落を何度も経験したトレーダーや投資家は身構えて当然史上最大の「過剰流動性相場」の後なら尚更だ。

 米中陣営が真っ二つに分断「ディス・グローバリゼーション」に向かうのが確実な中、「インフレ時代」への回帰はもはや不可避「ゼロ金利」「マイナス金利」などは早晩 ”過去のもの” となるはず早く日銀総裁にも気付いて欲しいものだ(気付いてはいるはずなのだが...)。


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