「G7財務相-リブラに対する重大懸念を共有」→ 仮想通貨市場の地合い再び悪化。「ステルスインフレ」の行方は?
今日のビットコイン(BTC) はスポットで103万円台ですか...筆者自身はBTCを最近見始めたばかりで、このマーケットの習性やポジションの偏りなどに精通しているわけではないのだが、ただこの展開-140万円台まで行って100万円台まで急落の後、1度120万円台に戻した後の100万円目指し-はBTCロング(買い)の人にはちょっときついかなあ。はっきりいってリブラの話はいわゆる売買の為にする理屈で、今の仮想通貨相場は単なるポジション調整とトレーダー同士のたたき合いだろう。
為替や金利の先物市場でもよくあるパターンで、この場合「損切り」しそびれた人達の心理状態は : 130万円台で掴んでしまったが、一旦120万円台に戻し「損をしなくて済むかも」と安心していたら、また100万近くまで下落。「ああ、しまった。次に120万円まで戻したら売ろう」と決心したが次は110万円までしか戻らず、また売りそびれて100万円割れ。「今度こそ110万円で売ろう」→ 次は90万円台。これを繰り返しているうちに、最後70万円で投げ売り...だからチャートはああいう曲線になるんです。
前稿でも書いたが、これが「心を平衡に保つこと」の重要性、である。自分の損得とは別な理屈で相場は動くのに、自分の望まない方に動かないで欲しい、と半ば願望をもってマーケットを斜めから見ていないか? もっと厳しいことを言えば、このような流動性の低いマーケットではむしろ損をしている人の投げ売りを狙うのが常道であり、最も合理的な考え方。何せ今の値付けに根拠が希薄なのだから。BTCの本当の価値が50万円なのか300万円なのか、妥当性が担保されていない。為替市場のように、もっと多くの参加者によって売買の流動性が増せばもう少し値付けがしっかりしてくるだろう。
ひとつ格言めいた事を言うと、相場は大概多くの人が嫌がっている方に向かう。最近の例だと日本のご老人達による兆円単位の外貨保険と円高。マーケットの基本構造がゼロサムゲームなのだから、みんなが幸福になることはあり得ない。上記のような心理状態で損切りに追い込まれる所謂素人の人達が犠牲になることが多いわけだが、みんな嘆いたり、悔やんだりして、あげくにマーケットのせいにしようとしたりする-これが「嫌がってる方」の正体である。プロは損切りであっても利食いであっても(少し悲しかったりはするが)、ただ淡々と「正しい売買」を目指す。もう1つ助言的に言えば、どうか戻ってください、お願いします、などと祈るようになったら、そのポジションはもうやめた方が良い。必ず損がもっと大きくなる。
さて、肝心のリブラについてだが、弊著「お金のマニュアル」仮想通貨編でも少し触れているが、やはりというか、まず金融政策と租税の面が全面に出てきている。これまでのような中央銀行や財務省による金融統制の枠外で勝手に動かれるのは、やはり国家主権の維持という面からは問題が大きい。筆者の見方のように、仮に新通貨発行的な効果から物価上昇、あるいは法定通貨の減価を狙う「ステルスインフレ」を密かに指向しているとしても、本当のインフレになった時に制御不能になってしまうのもまた問題である。この辺の対策を練ってくるのはある意味必然の流れ。もう少し経過を見よう。
さて今週は今日18日がいわゆる「徴用工」訴訟の仲裁委員会設置の期限日、週末21日が参議院選挙とイベントが目白押し。筆者もシナリオを立てたりいくつかnoteを書いたりしているので、その当りをフォローしていくつもり。今日の市場、特に株式市場を見ていると、みんなやる気満々ですね。ドル/ウォンも1182あたりまでつっかけているし...(韓国中央銀行が予想外の0.25%利下げ(1.75%→1.50%)→ その後ウォン買介入と見られる動きでドル/ウォンは1175まで戻す!)
さて、どうなりますか。