日本の資金繰り研究 補足 @2020.5.31。- 「コロナ後の断裂」の行方。
5月末の日銀のバランスシート速報。↓
今のところ「預金大好き」日本に変化はなく現金を保守的に持ったまま。資産は国債を中心に「順調に」増えているが、過去最高を更新し続ける、いわゆる「マネタリーベース」=日銀銀行券+当座預金=588兆円が「日本株式会社」の「資金繰り」を支えている。
「緊急事態宣言」が解除され、東京も6/1に「ステップ2」なるものにに移行した。*株価の急反発が示す(望む?)ように、経済活動の再開が順調に進めば預金などの大幅な「資産取り崩し」も杞憂に終わるかもしれない。
*株は典型的な「需給相場」の様相。ファンドや投資家は3月に株を大幅に売り越した後、十分に株を買えていない。AIやHFT、CTA(Comodity Trading Advisor、順張り型ファンド)に先を越されてかなり焦っているところもあるだろう。こうなると暴動だろうが失業率だろうが関係ない。米国株に出遅れていたドイツ、日本も急速に株価が回復しており、実際直近底値からの回復率ではDAXがナスダックややNYダウを上回ってきている。日銀がETFを直接買い付けている日経平均もここに来て急回復。今日(6/3)もオープニングから+400円超。
しかし「緊急事態宣言」解除と同時に東京では感染者数が再び増加し、「東京アラート」が出されるなどまだまだ予断は許さない。「資金繰り」推移についてはもう少し長い目で見ていく必要がある。
「コロナ後の断裂」については「損切丸」でも何回かシリーズで書いてみたが、米・中を中心とした多国間の軋轢も大きくなる一方で、個人レベルでも香港やアメリカで**「デモ」や「暴動」という形で顕在化。理由付は色々あるだろうが、多くの人が生活で困窮し不満が溜まっている結果だろう。いつもツケは弱いところに回ってくる。
**日本でも暴力的行為には及んでいないものの、多くの生活民の不満が鬱積している。「サイレント・デモ」とでも呼べるその矛先が向かっているのが政府。確かに全ての対策が遅い。せっかくオンラインで給付金の申請をしたのに手書申請より振込が遅れるとは(!?)。お役所のIT化がこれだけお粗末だと溜息しか出ない。この国も早く世代交代をしないと国自体が「ガラパゴス」化してしまう。
心配なのは国も個人も段々「闘いモード」にエスカレートしている事。株価の上昇は「上級国家」「上級国民」は救うが「弱者」にはほとんど恩恵がない。余り煽りたくはないが、歴史的に見れば「革命」や「戦争」が起きるパターンになってきている。
「コロナ後」は分け合える「富」=パイが縮小し「生き残り競争」が激化するのは必至。そんな中「弱者切り捨て」「貧富の差拡大」を放置したままだと事態はあらぬ方向に向かうかも。「弱者」といえども喰うに困れば黙ってはいないだろう。これは後進国だけでなく、中国もアメリカも、そして日本も一緒だ。
もしそんなタイミングで「第2波」が襲えば、マーケットも今度こそ「致命的」な動きになる。「多数が望まない方向に向かう」法則に倣えば - お金は底を尽き、物価が上がって金利は上昇、頼みの株価も再度急落-。世界中がデフォルト国のような状況に陥る懸念さえある。
今テレビなどで流れているニューヨークなどでの略奪行為を見ていると、暗澹たる気持ちにさせられる。そんな中上昇する株価。ポジティブどころか、むしろ後向きな気分になるのは筆者だけだろうか。
とにかく「最終列車」は走り出してしまった。一体どこへ向かうのか。
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