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夢の中へ

おしゃれなサラダ屋さんで数人前のサラダをオーダーしたローレンは、ダウンタウンのオフィスまで出前を頼みました。

オフィスに沢山のランチを届けるのは大好きです!私も社会の一員になれる気がしますし、経費で落とされるであろうランチ代には気前よくチップが追加されるからです。

ダウンタウンは道も狭く、歩行者も多く、路駐も有料駐車場もいつもいっぱいなのは以前、ちらっとお話ししたと思いますが、ローレンのオフィスの前にも駐車してる車でいっぱいで、私は少し離れたホテルの前に用意された、トラック専用の場所に駐車しました。

申し訳ないと思いつつも、私はサラダを両手に抱えて、歩いてローレンのオフィスに向かいます。

車で走りながらナビを見ていると、私を表す矢印はどんどん期待通りの方向に進んでいきますが、歩いている私を表す矢印は動いてるのか生きているのか分からないくらいにしか動きません。

工事の為に歩行者用の道が途絶えたところで、向かっている方向が正しいのか自信を失い、ドライバーアプリのGPSとは別の地図を開きます。

不安な道中を歩いた先にローレンのオフィスはありました。高いビルのどこかにローレンはいるようですが入口は開きません。ダウンタウンのセキュリティはより頑なに私を受け入れてはくれません。

ローレンに電話をすると私がいる入口まですぐに降りてきてくれました。

このあと2件、ダウンタウン内のレストランにお客様のランチを取りに行かなくてはならなかったのですが、お店の周りをいくらまわってもやはり車を停めるところが見つかりませんでした。

我々ドライバーは一度引き受けた出前をキャンセルすることができます。アプリ上でキャンセルの理由は色々選択できますが、私は素直に「駐車場が見つからない」を選びました。

そしてアプリをオフラインにして、地元まで急いで帰りました。これ以上ダウンタウンで出前を請け負う自信をすっかり喪失したのでした。

自由で気楽な個人事業主とは言え、責任感のない仕事はしたくないと思っています。けれど探しても探しても見つからない駐車スペースを理由に私は逃げました。初めての敗北を味わっているような気分です。

何と戦っているのかは定かではありません。

(2件分)
所要時間:50分
配達料:$6.62
チップ:$23.94

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