【🇯🇵 熊本#3】崎津集落は禁教令後240年もキリスト教信仰が守られていたんだ！

2024年10月14日 07:58

天草に入りイルカウォッチングを楽しんだ後は、潜伏キリシタンの歴史遺産を訪れました。世界遺産に登録された教会や天主堂がある集落の多くは長崎県五島列島や長崎市にありますが、ここ天草にも1638年の禁教令以後、激しい弾圧に耐え、信仰を守り続けてきた潜伏キリシタンの歴史とともに、島原天草の乱（島原・天草一揆）の主戦場となった、幕府との壮絶な戦いの歴史を窺うことができました。

天草に残されている教会や天主堂の多くは近代に建てられたものが多いのですが、その集落にはキリシタンの潜伏期から復活機の足跡が多く残されていました。中でも下島西部にある崎津集落は、世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の中で、長崎県以外では唯一の熊本県の歴史遺産になります。

イルカウォッチングを楽しんだ下島北部から西側の海岸線を走りカトリック大江教会（大江天主堂）にやってきました。高台にある白い教会が緑豊かな山間に映えますね。

写真に残していなかったのですが、潜伏キリシタンの資料館「天草ロザリオ館」がすぐ近くにあって、ロザリオ館と共に夜には綺麗なイルミネーションを見ることができます。

天草のキリシタンは徳川幕府の禁教令以降も密かに信仰を続けていましたが、明治に入り禁制が解かれ、キリスト教の布教が再び行われるようになりました。

この大江教会は明治25年にこの地を訪れたフランス人のガルニエ神父が、昭和8年に信徒と協力して完成させたものなんだそうです。

村民にパーテルさんと呼ばれ親しまれていたガルニエ神父。大江天守堂の司祭として49年間、村民と共に信仰の道を歩み、故郷フランスに帰ることなく天草大江村で82歳の生涯を閉じました。

ガルニエ神父は、自らの臨終の際に「墓石に鐘をかけるな。墓をつくる金は病人や困った人に与えてくれ」という言葉を残した言われていますが、信徒たちは教会の西側にルドヴィコガルニエ塔をつくりました。十字架には「汝等ゆきて万民に教えよ」と聖書の一文が刻まれていました。

敷地内にはフランスのカトリック巡礼地でもあるルルドの泉が再現されています。少女ベルナデッタがマリア様と出会った洞窟に湧き出た泉は、病を治したと言われています。

キリスト教解禁後、天草で最も早く昭和8年に建てられた、農村の風景に溶け込んだロマネスク様式の教会です。天主堂の中も自由に拝観できますが、内部の撮影は禁止になっています。

この後訪れる崎津協会が海の教会、大江天主堂は山の教会とも呼ばれているようです。与謝野鉄幹や北原白秋が若き時代に旅をした九州を旅した時の旅行記「五足の靴」の中で、5人の文人達がガルニエ神父に会うためこの地を訪れているんだそうです。

山の教会（大江天主堂）から海の教会のある崎津集落へやって来ました。下島南部にある漁村で、隣の今富集落とともに「天草市崎津・今富の文化的景観」として国の重要文化的景観に指定されており、このうち崎津集落が世界遺産になっています。

崎津集落でのキリスト教信仰は戦国時代に遡ります。イエズス会修道士アルメイダにより布教が始まり、ほとんどの村民がキリスト教徒となったそうです。集落内には宣教師のレジデンシア（住居）が作られ、教会を支援する信仰組織としてコンフラリアが形成されています。

江戸時代になると幕府は禁教令を発布。信徒への迫害が強まる中でも崎津集落には多くの潜伏キリシタンは家の軒先にしめ縄をしたり、柱にメダイを隠したりと信徒であることを隠しながら進行を続けてきました。

しかし1800年代に入り、ついに崎津や近隣の3村で潜伏キリシタンが発覚してしてしまい、5,000人以上が検挙されてしまいます。崎津でも1,700人近い潜伏キリシタンが検挙され、自白調書により管理される（天草崩れ）ようになりました。

検挙されたキリシタンたちは自らの信心具を崎津諏訪神社に投げ捨てるよう指示され、これに従った者は「心得違い」として無罪放免となったそうです。

1800年第後半、キリスト教解禁後にカトリックに復帰した潜伏キリシタンは崎津諏訪神社の下に木造教会を建て、その後禁教期に絵踏みが行われた崎津吉田庄屋役宅跡に現在の崎津協会が1934年に建てられました。

教会のすぐ脇にはルルドの泉を模したかのような池が作られていて、綺麗な錦鯉が泳いでいました。日本の和も感じられますね。

到着が15時近くになってしまったので、お目当てだった杉ようかんは売り切れてしまっていましたが、この崎津で名物的なお土産屋さのおばちゃんに声をかけていただき、お茶をご馳走になりながらお喋りを楽しんできました。本当に村の人達の優しさに感謝です。

夕陽にはちょっと早かったのですが、天草夕陽八景のひとつに指定されている海上のマリア像（マリア像の夕陽）が見える場所に歩いてきました。

地元の漁師たちが航海の安全と豊漁を願って祈る信仰のシンボルとして村民を見守り続けています。ちょっと写真では遠すぎて判らないですよね（汗　引用したwebでご覧いただけますと幸いです（苦笑
このマリア像に重なるように沈む夕陽は美しく、金曜ロードショーのオープニング映像のようです。

マリア像から集落へ戻る途中の山の法地に墓地を見つけました。ちょっと離れた場所から撮影させていただきましたが、いくつかの墓石には十字架が見られました。

崎津集落で潜伏キリシタンの歴史をちょっとだけ学ばせていただいた後、宿を押さえた上天草の方へ戻ります。途中道の駅有明で少々休憩です。天草は結構広くて、車での移動でもかなり距離を感じました。

17時を過ぎていたのでお食事処は全て閉店してしまいましたが、お土産屋さんだけが18時まで営業していました。看板にあったリップルランドってレストランの名前なんでしょうか？この辺りはタコ料理が有名らしくタコ飯が食べたかったのですが残念です（泣

道の駅向かいの海岸沿いはありあけたこ街道と呼ばれているらしく、巨大なタコのオブジェがありました。平成16年から地元商工会を中心にタコによるまちづくりが進められ、その一環として巨大ダコのモニュメントを制作したんだとか。

その巨大ダコ（ありあけタコ入道）のすぐ隣、平成19年に完成したのがタコ供養塔の祈りダコです。タコの町ありあけとして地域振興の一躍を担っているタコへの感謝供養、豊漁と海難事故防止など様々な願いが込められているんだとか。

上天草のホテルで一泊し、天草の猫島「湯島」を訪れて帰路につきました。
湯島が離島振興法の離島に認定されていたので、短いですが別途島旅の旅行記として書きます（苦笑　そして何故か帰りの飛行機は福岡でも熊本でもなく鹿児島空港から乗りました（汗　どうしても鹿児島の西郷さんを見て帰りたかったんですよね（苦笑

こちらは上天草の大矢野島にある藍のあまくさ村（国道266号沿いの道の駅のような休憩所）に寄ったのですが、こちらには巨大な天草四郎の象があります。天草四郎時貞は肥後（宇土市）の生まれですが、幼少期より天草に移り住んだらしいです。天草には数多くの天草四郎像があるのでそれらを巡るのも楽しいかもしれませんね。

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

【公式】世界文化遺産　長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 (kirishitan.jp)

kirishitan.jp

大江天主堂

大江教会 - 熊本県天草観光ガイド (t-island.jp)

熊本県天草観光ガイド

崎津集落

世界文化遺産「天草の﨑津集落」 / 天草市 (city.amakusa.kumamoto.jp)

天草市

崎津協会

世界遺産天草・﨑津教会見学プラン | 株式会社KASSE JAPAN(カッセジャパン) (kyusanko.co.jp)

KASSE JAPAN

天草夕陽八景

天草夕陽八景 (amakusa-web.jp)

天草夕陽八景

ありあけタコ街道

ありあけタコ入道 - 熊本県天草観光ガイド (t-island.jp)

熊本県天草観光ガイド

藍のあまくさ村

天草の観光は「藍のあまくさ村」 (amakusamura.jp)

amakusamura.jp

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